1.9兆円!24年7~9月期インバウンド旅行消費額は7~9月期としては過去最高も…外国人人気の高い「姫路城」の入場者が「マイナス」のワケ【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
24年7~9月期のインバウンド旅行消費額は7~9月期としては過去最高の「1兆9,480億円」
24年7~9月期のインバウンド消費動向調査(1次速報)によると、旅行消費額は1兆9,480億円で、7~9月期としては過去最高となりました。前年同期比は+41.1%の増加、19年同期比では+64.8%増加です。ただし、24年7~9月期は4~6月期の2兆1,402億円よりは低下しています。 24年1~9月期の訪日外国人旅行消費額は累計で5兆8,582億円となりました。23年年間の訪日外国人旅行消費額5兆3,065億円をすでに上回りました。また、7~9月期の訪日外国人1人当たりの旅行支出は22万3,000円と推計されています。
猛暑や大雨が9月の旅行・レジャー悪化の要因のひとつに
旅行・交通関連やレジャー施設関連を含む9月「景気ウォッチャー調査」でサービス関連のDIは、“方向性”を尋ねた現状判断では48.1と前月差▲3.5ポイント悪化したものの、“水準”を尋ねた現状水準判断では51.6で前月差+0.6ポイント改善となりました。 これが、9月「景気ウォッチャー調査」で全体の現状判断DIが8月から悪化する一方、現状水準判断DIが8月から改善と、2つの現状判断のDIが逆方向に動いた主な要因です。9月は猛暑や大雨といった天候による旅行・レジャーの悪化が目立ちました。 西日本が特に暑かった24年…猛暑日が出た8月・9月の姫路城入場者数は2ヵ月連続前年同月比減少 外国人観光客も多く訪れる観光名所である、9月の函館・五稜郭タワーの入場者は前年同月比+32.8%と好調でしたが、猛暑の中で9月の姫路城の入場者は前年同月比▲1.7%と2ヵ月連続マイナスになりました(10月21日現在)。 24年の函館の最高気温35℃以上の猛暑日はゼロですが、姫路の猛暑日は26日で、平年を20日ほど上回りました。8月が20日、9月が2日でした。今年は西日本の気温が高かったといえます。 なお、24年夏で特に暑かったのが、福岡県太宰府市でした。太宰府市では猛暑日が24年7月19日~8月27日で「連続」40日、また24年の猛暑日は62日と、どちらも全国での最多記録を更新しました。 ※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。 宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト) 三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
宅森 昭吉