「プベルル酸」が腎臓に悪影響 小林製薬工場から青カビ
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害の問題で、厚生労働省は28日、原料から検出された「プベルル酸」について、腎臓に悪影響を及ぼすことを確認したと明らかにした。同社工場からは青カビが採取され、培養でプベルル酸を検出。他に検出された未想定の2物質も含め、いずれも紅こうじの培養過程での青カビ混入によって作られたものだと推定している。 武見敬三厚労相は岸田文雄首相への報告後、取材に応じ、どの物質が健康被害の原因なのかは「引き続き動物実験などを通じて最終確認する必要性がある」と述べた。 厚労省によると、腎毒性を調べる試験で、プベルル酸単品と、問題のサプリ製品を7日間、ラットに投与。その結果、いずれも腎臓の近位尿細管が壊死するなどの所見がみられた。今後も期間を延ばして投与試験を実施する。 青カビは、紅こうじ原料を製造していた大阪工場(昨年12月閉鎖)の種菌培養室、子会社の和歌山工場の乾燥室や培養タンク内面などから採取された。厚労省でこれらを培養した結果、プベルル酸が検出された。