「まるで資産運用ファンド」 NHKの金融資産は約9000億円…「収入と必要経費がトントンくらいが理想」
“情報空間の参照点”と自負
放送番組のネット配信が「必須業務」となったNHKでは、来年度後半をめどに同サービスを始める準備が進んでいる。先頃、そのネット受信料が地上契約と同額の月額1100円に設定されると発表されたのだが、当の局内では驚くべき“蓄財”がなされており……。【前後編の前編】 【写真12枚】NHK・中川安奈アナの「何も着てない」疑惑の一枚 Instagramには“体のラインくっきり”な「ぴたぴたニット姿」が大量に投稿されていた ***
かねてNHKは、自らを“情報空間の参照点”であると自賛してきた。 「昨年10月に発表された、今年度から3年間にわたる『中期経営計画』でも、この文言が用いられています。また、稲葉延雄会長も5月の会見で『偏りのない情報をくさびのように打ち込み、NHKが頼りにされるような存在になること、つまりは情報空間の参照点になることが期待された結果』などと、ネット参入の意義を述べていたのです」(全国紙文化部デスク)
受信料収入は396億円減
ネット配信はこれまで、NHKにおいては放送を補完する「任意業務」だったが、5月に改正放送法が成立し、本業と同等の「必須業務」へと格上げ。利用者は「NHKプラス」などのアプリをダウンロードしてIDを取得することで課金され、すでにテレビ放送の受信料を払っている世帯は追加徴収されない仕組みだ。 「NHKの受信料収入は2018年度の7122億円をピークに減少。23年度は10月からの受信料1割値下げもあって6328億円と、前年度比で過去最大の396億円減でした」(前出のデスク) 減収の中で悲願のネット参入を果たしたわけだが、立教大学社会学部の砂川浩慶教授(メディア論)は、 「地上波の料金と異なれば、その理由が求められることになる。ネット受信料の1100円は既定路線だったと思います」
「視聴者の利益にはならない」
BS番組については権利関係から配信できないものなどがあるため、ひとまずは地上契約と同額に設定したとみられるのだが、 「今後、衛星放送が配信できる環境になれば、それに伴って受信料の値上げも考えられます。ただし、このネット配信を契約する人はほとんどいないのではないでしょうか。テレビの視聴者はすでに受信料を払っており、現在NHKを観ていない若者がわざわざスマホで観るとは思えない。1100円という金額設定は、これから本格的にネット事業を始めるためのつじつま合わせに過ぎません。『ネットで観る人はフリーライドだ』といった批判をかわすための方策でしょう」(前出のデスク) とのことで、 「NHKがネット参入する意義を、あらためて疑わざるを得ません。“民業が圧迫される”と異を唱えた新聞協会に配慮する形でネット独自のコンテンツを取りやめ、その上、放送よりも番組を制限しているのだから視聴者の利益にはならない。第一、NHKの増収にもつながらないと思います」(同) それゆえ“公共インフラ”を自任するNHKが、遠からずスマホやパソコンのユーザーから受信料を一律徴収するだろうとの見方が濃厚になっているのだ。