インフル、コロナ、マイコプラズマ肺炎の〝3種流行〟懸念 手洗いなど対策を
季節性インフルエンザが例年よりも早く全国的に流行入りし、今冬も新型コロナウイルスとの同時流行が懸念されている。足元ではマイコプラズマ肺炎も流行しており、他の感染症との〝3種流行〟にも警戒が必要だ。危機感を強める現場は「基本的な感染対策とともに、重症化リスクのある人はワクチン接種が大切」と呼びかけている。 【ひと目でわかる】夏場と冬場に大きな流行を繰り返す…新型コロナウイルス感染者数の推移位 ■検査希望せず 「急にのどが痛くて」。12日午前、東京都渋谷区の「みいクリニック代々木」を訪れた区内在住の女性(80)は、医師にそう症状を訴えた。 熱っぽく2日間寝込んでいたという女性。風邪と診断されたが、「インフルエンザや新型コロナが頭をよぎり、早めに受診した」と話した。 同クリニックでは1日30人程度がせきや熱の症状を訴え、発熱外来を訪れる。約1割がマイコプラズマ肺炎と診断されており、約3週間前からインフルエンザの患者も出始めたという。 宮田俊男理事長によると、とくに20~30代の患者は高額な治療薬の処方を断る傾向にある。また発熱外来を訪れる患者の4割は詳しい検査を希望しないという。宮田氏は「陽性と出ることを嫌がっている人が少なくない」と話す。 ■複数感染も 同クリニックの三島千明院長は「夏は感染症が少ない時期だが、今年は夏から秋にかけて患者が途切れない。インフルエンザや新型コロナの流行が本格化すると、さらに患者の増加が予想される」と懸念を示す。 インフルエンザと新型コロナが同時流行した昨冬は1日50人以上の患者が発熱外来を訪れた。両方に同時感染している患者もいたという。宮田氏は「現状は感染が拡大する前段階だが、昨年同様の流行が懸念される」と話した上で「今年はすでに感染症自体が流行していて、他の感染症が同時に流行することはありえる」と指摘する。 同時流行した場合、検査キットやせき止め薬などが不足する恐れがあるという。宮田氏は「持病などで免疫が低い高齢者にはワクチン接種を推奨している」と話した。 ■患者数高止まり