タイの企業が飲食店を視察した（中央がトゥン社長）

　【四日市】タイの水産物卸・加工会社の経営者らが５日、四日市市を訪れ、食品の卸売市場や飲食店を視察した。同社はタイで取れた魚介類を日本へ輸出するビジネスを検討しており、視察はマーケティング調査の一環。 　来日したのは、水産物の卸・加工を手掛けるタイのスタートアップ企業「メーオ　キン　プラー」のトゥン社長ら２人で、北勢地方卸売市場や魚料理が主体の飲食店「ゑびすセンター」を視察。日本人が好む魚の種類や鮮度を保つ手法などについて聞いていた。 　日本におけるタイ産の食用水産物の流通量は少ない。トゥン社長は「日本は魚の消費が多い有望市場。ぜひ、当社が扱う新鮮な魚を輸出したい」と意欲を示す。 　トゥン社長の会社では、契約する40人ほどの漁師から魚を直接仕入れて、タイ国内の高級飲食店や一流ホテルなどへ販売している。魚は水産資源保護の観点から、一般的な漁法に比べ一度の漁獲量が多くない伝統的な漁法で取れた天然物を取り扱う。環境に配慮した「サステナブルな魚」という、付加価値をアピールする。

　トゥン社長が視察に訪れたゑびすセンターを運営する今野商事（本社四日市市）の今野克俊社長は「トゥン社長の会社は、環境などの経営姿勢に共感する点がある。当社の飲食店で取り扱うことを視野に、前向きに検討ができれば」と話した。