コロナ、沖縄県が独自に注意喚起へ 流行前に「準備情報」を発令する狙いは
新型コロナウイルスの感染拡大に備え、沖縄県は19日、独自の「感染拡大準備情報」を設定したと発表した。今後、流行が疑われる際に発令し、県民へ注意喚起を行う。 肺はショック受けるほど真っ白に…おなかの子に「ごめんね」 新型コロナは、過去の感染データの蓄積が乏しいことなどから、現時点でインフルエンザのような流行注意報や警報などの基準は国から示されていない。県は「今夏は高齢者を中心に感染が拡大したため、多くの県民にとって流行の実感を感じにくい状況だった」と分析。事前に準備情報を出すことで対策を呼びかけ、医療逼迫(ひっぱく)などを防ぎたい考えだ。 発令の基準は、直近13週の定点医療機関から報告された患者数の平均と標準偏差を基に算出。平均値と標準偏差の2倍を上回った場合を異常値と捉え、医療機関の入院状況などを確認した上で発令する。 発令時は、マスクの着用や症状がある際の高齢者施設の訪問を控えるなどの注意喚起を行う。発令は流行の兆候が見られる場合の1回に限るため、さらに感染が拡大した時は随時、情報を発信する。啓発が目的のため、流行終息時の基準は設けていない。 県感染症対策課は「インフルエンザのように注意報や警報を発令することも検討したが、今後、国が新基準を設定した場合に混乱する可能性があることから準備情報とした」と説明。他県では定点医療機関からの報告数で独自の基準を設定している場合もあるが、標準偏差を用いた基準は初めてという。(社会部・下里潤)