れいわ、参政、日本保守党は次の衆院選でどこまで伸びるか?(松田馨の議席予測~新興政党編~)
選挙の度にレベルアップする参政党、対する日本保守党は?
他方、参政党は2022年の参院選で初めて議席を獲得しました。2019年にれいわとN国の2つが全国比例で、国政政党の要件を満たしたのを見て、3年後に国政政党になりました。 参政党は、れいわやN国より速いペースで全国に地方議員を増やし、今回の衆院選での候補者でも、3桁に迫る人数を擁立しているのが目を引きます。 党運営ではボードメンバーの脱退などトラブルがあるものの、神谷宗幣代表のリーダーシップやボランティアの熱心な活動が結果を生んでいると、松田氏は解説します。 松田氏「DIY(自分たちで作る政党)というコンセプトの中で、残っている支持者が洗練されてきている。毎回の選挙ごとにレベルアップしている」 東京15区では存在感がなかったものの、得票率5%は超えました。松田氏は、比例で2議席となっているが、最大で5議席狙える可能性があると注目。 小選挙区で供託金を没収されることがあるかもしれないが、比例の得票を増やす効果もあるため、参政党がしっかり計算して、候補者の擁立をしていけば、5議席ぐらい獲得できる可能性はあるというとの予測です。 松田氏「比例ブロックというのは、ブロックごとに定数が違う。近畿や南関東、東海、九州、東京、北関東あたりは、議席数が非常に多いところ。定数20ということは、雑な計算だが5%獲得すれば、1議席獲得となる」 このように、都市圏の比例ブロックを中心に戦うことが予想される両党は、主戦場が重なってきます。しかも、比例で戦いたいのはこの2党だけではありません。 MC鈴木「れいわが獲得できるブロックと、参政党が獲得できるブロックはかなり似通っている」 松田氏「似通っている。ここに日本保守党がどのように擁立してくるか」
東京15区の結果を見ると、日本保守党に可能性を感じるというMC鈴木邦和に、「参議院だったら簡単なんですが、衆院は難しい」と濁す松田氏。 松田氏「(日本保守党は)比例復活ができない中で、候補者を立てなければいけない。負けることがわかっている小選挙区にどのくらい候補者を立てられるか。1人あたりの300万円の供託金、比例単独では600万円ですよ。それだけの候補者を擁立して、かつ(議席が)取れそうなブロックで組織的に候補者を立てられるのか」 国政政党でない日本保守党に考えられる勝ち筋として、松田氏は、東海ブロックで一定の候補者を擁立し、1議席獲得することを示します。 松田氏「名古屋の河村たかしさん(名古屋市長)が小選挙区で1、東海ブロックで1、合わせて2議席は見えてくる」 日本保守党は、先日の衆院補選東京15区でも立派な得票率を上げたと2人は振り返ります。 松田氏「ネットだけではなく実際に票は出るということのインパクトはかなりあった。すごい集まっている人にひとりも江東区民がいなくても、票は出る」 松田氏は東京15区の結果を「(保守党の皆さんにとっては満足いかないようでも)ネットだけのムーブメントではないことは、我々からするとすごい」とたたえます。 松田氏「普通の選挙の常識で考えればステップを踏んでいくしかない。どれだけちゃんと衆議院のややこしい制度を含めてしっかり理解して、計算を立てて、組織的に候補者を擁立できるかどうかで、保守党の議席は大きく変わっていくと思います」 参政党もれいわ、N国も、参議院選挙で参議院選挙でまず政党要件を満たしたことがひとつのアドバンテージになったと指摘します。 MC鈴木「それで衆院選にチャレンジするための条件、比例代表並立制を生かせるような環境になっている。いきなり最初の国政選挙が衆院選となると、政党要件を持っていない政治団体にとってはよりハードルが高いということですね」 小選挙区での選挙運動の仕組みは、候補者による選挙運動と、候補者届け出政党の選挙運動のふたつ。無所属だと後者ができません。 松田氏「なので、ちゃんと国政政党になる。そのことで一番差がつくのが衆議院選挙。N国やれいわはしっかり選挙制度を理解した上で、計算してやっている。日本保守党はその辺がわかってないのかな?タイミングもあったと思うのですが」 資金面の問題も重要です。 松田氏「比例10人立てたら6000万円ですよ。全国で一定議席を立てようとすると、供託金だけで億単位のお金が必要になってくる。なかなかハードルも高くて、準備も手続きもたいへんなんですよ。事務方を含めて、政党として体力体制が作れるのかどうか」 松田氏は、河村氏が減税日本という地域政党を運営したノウハウを、事務方の体制を含め、党としてちゃんとやっていけるかが課題だと述べます。 ここまで、れいわ・参政党・日本保守党という躍進が予想される新興政党について見ていきました。新興政党が台頭したしわ寄せが向かう政党は。 松田氏「3つの新興政党が定数の多い比例ブロックで1議席をかすめ取っていくと、公明党や共産党があおりを食らっていく。競り合ってきて、蹴飛ばされて1議席減ってくるとか。ブロックによるが、最後の1議席を取られてしまう現象が起きるのではないか」