「たかが3000円、されど3000円」 高校生のお願いに応えた思いに5.6万“いいね” 「泣けてきました」
学校生活において、自主性が求められる部活動。勉強だけでは得られない、貴重な経験をした人も多いでしょう。X(ツイッター)では、そうした部活動の一環で訪れた高校生への思いを綴った、商店街の店主の投稿が大きな反響を呼んでいます。いったい、どんなやりとりがあったのでしょうか。投稿主の呉服のきくやてんちょ(@gofukunokikuya)さんと、大阪府立市岡高校吹奏楽部の生徒さんに、詳しいお話を伺いました。 【画像】話題を呼ぶきっかけになった大阪府立市岡高校吹奏楽部 第60回定期演奏会 ◇ ◇ ◇
「心から若者に幸あれ、なんてことを思うようになって…」
「毎年近くの高校の吹奏楽部の定期演奏会のパンフレットに広告出してる。パンフレットの広告なんて誰も見ていないと思うんだけど、高校生があらかじめ練習した文言で一生懸命言うんだよね」 そんな書き出しの500字ほどの投稿には、演奏会に協賛をお願いする高校生の様子と、その話を聞く投稿主さんの気持ちが綴られています。慣れない交渉に緊張しながら、たどたどしく依頼内容を説明する高校生。毎年のことで時間がかかるとわかっているけれど、頑張って練習してきた交渉の言葉を、投稿主さんは最後まできちんと聞きます。 お願いされた広告の金額は3000円。投稿主さんは「たかが3000円、されど3000円。お金を他人からいただくのは大変だよ。顧問の先生が一切出てこないのはこれもまた学びだからだよね」と、生徒の自主性に任せる教師の姿勢に理解を示します。 また、演奏会は毎年、店の営業日のため投稿主さんが会場に行ったことはありません。それでも「君たちが頑張ってるの、広告を取りにくるその姿勢を見るだけでおっちゃんは十分わかるから今年も3000円出す」と、演奏会に毎年協賛する理由を明かしました。 「その女子高生は店を出たら、手分けして商店街を回っていた仲間の部員たちとうれしそうな顔をしていた。最近、心から若者に幸あれ、なんてことを思うようになってほんとおっちゃんになったなぁ、なんて思うけれど、意外とおっちゃんも悪くない(笑)」と、締めくくった投稿主さん。 この投稿は注目を集め、5.6万件もの“いいね”を集めました。リプライ(返信)には「青春ですね。泣けてきました」「おばちゃん、目頭が熱くなりましたよ」「ありがとうございます! ありがとうございます! かつての高校生(吹奏楽部)だった私から、代わりにもなりませんがお礼を申し上げたいと思います」など、多くの声が寄せられています。