【対談】令和ロマンくるまxLINEヤフー会長「大喜利力は問題解決力」
自分の外に「熱源」をもつ
■自分の外に「熱源」をもつ 川邊:くるまさんの3つめのキーワードが「宗教」です。これは僕の3つめのキーワード「推し活」と通じるものがありそうです。 くるま:嫌なことがあったとき、本当に自分だけで自分の機嫌を取るのは簡単じゃないですよね。自分をアゲていくには、恋人なりコンテンツなり趣味なり、まるで宗教的な行動のように自分が100%でできるものを何かしら自分の外にもっていたほうが便利です。25年がハードな一年になるなら、「一人ひとりにとっての宗教」がより大事になる気がします。 川邊:くるまさんの「宗教」は何なのですか。 くるま:僕は「自分教」の信者です(笑)。昔からメッチャ運命論者なんです。電車を一本乗り遅れたら「これは何か意味があるかも」と思うし、街で人に肩をぶつけられたら痛いんですけど、「今止まっていなければ事故にあっていたかもしれない」とホッとする。アクシデントが起きるたびに、全部自分のためにやってもらっている、自分には何かミッションがあってそうなったと信じてます。 川邊:ミッションは、まさに宗教用語。神から与えられた使命を果たすために自分の命があるという感覚だと、強いでしょうね。 くるま:僕の言うミッションはTV番組「逃走中」のイメージで、もっとゲーム感覚です。例えば白線があると、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウになり切って「ロープから落ちると死ぬ!」と思って歩いたりします。もともと幸せでも不幸でもない中途半端な状態で生きてきたから、そんな毎日に抵抗したくて日々楽しむ癖がついたのかもしれません。僕は「アプリを開発するぞ」と起業する人ほどエネルギッシュなタイプではありません。それくらいの工夫で、十分に自分をアゲられます。 川邊:起業しなくても、発想は起業家。暮らしのなかで、心のスタートアップをしている。 くるま:川邊さんの「推し活」はどうなんですか。起業家は人に頼らなくても自家発電できそうですが……。 川邊:おっしゃる通り、前は「元気をもらう」という言葉が好きになれなくて、「自分で元気出せや!」と思ってました。でも、24年に突如としてハロプロ(ハロー! プロジェクト)にハマりまして(笑)。佐々木莉佳子さんという大エースが先輩の卒業コンサートで泣いているシーンを見て、こっちまで泣けてきたんです。僕はどちらかというと冷めてるタイプで、もらい泣きなんてありえなかった。若い力が努力して何かを達成していく姿はキラキラしていて、「元気をもらう」は本当にあるんだなと思いました。くるまさんは推される立場ですよね。演者から見て、推し活はどうですか。 くるま:僕は「歓声浴びて最高~!」とは酔えないです。新幹線に乗ってライブに来てくれる人もいて、「絶対笑わせて帰さなきゃ」と使命感が増していきます。ただ、それがプレッシャーになるわけじゃなくて、むしろうまくできることにつながることが多い。マジで力になってます。