「共同創業者はAI」の時代が到来? AIがスタートアップの成長を爆押しする納得の理由
AI利用の課題
以上のように、スタートアップは事業のあらゆる側面にAIを活用することで課題を解消し、限られたリソースを本当に必要な部分に投資できるようになる。 生成AI「Claudeシリーズ」を提供するAnthoropicのダニエラ・アモデイ共同創業者兼CEOは、「人間がやりたいことを支援するパートナーとして、AIを活用してほしい」と言っている。 一方、AIをビジネスに利用する際には課題もある。昨今は生成AIを巡る著作権問題・訴訟が多発しており、AIツール自体が差別やバイアスを学習してしまっている可能性も捨てきれない。AIには慎重かつ責任を持って対処する必要がある。 そのためには、AIツールを導入する前に徹底的に精査することだ。ツールを厳正にチェックし、透明性の高いプロセスを持ち、信頼できるプロバイダの製品を選択したい。 また、すべてをAI任せにせず、複数の人的チェックを挟むことをプロセスに入れるなど、潜在的なバイアスに気づく仕組みをつくることも大切だ。 AIはスタートアップの課題解決と成長に多大なパワーを与えてくれるが、倫理観、多様性、そして透明性を担保する「責任ある運用」が求められる。だが、正しい運用ができれば、これほど強力で有能な“バディ”はいないだろう。
文:矢羽野晶子 /編集:岡徳之(Livit)