南雄太「枠を外したらどうしよう」引退試合で伝説のオウンゴール再現 最後はカズとガチンコ勝負
<南雄太引退試合>◇21日◇NACK5スタジアム大宮 Jリーグで26年間プレーし、昨季限りで現役生活を終えたGK南雄太(45)の引退試合が21日、NACK5スタジアム大宮で行われた。史上初となるGKの引退試合。伝説のオウンゴール(O・G)再現に始まりO・Gで終わる“笑撃”の展開で、勝負は異例のPK戦にもつれ込んだ末、最後はFWカズ(57)とのガチンコ勝負で締めくくった。 【写真】スローイングでオウンゴールを決める南雄太 ◇ ◇ ◇ あの、代名詞的シーンを笑いに変えた。GK的に複雑? でも大盛り上がりの10-9で迎えた後半44分。南が前線にボールを投げようとして、自陣のゴールに投げ込んだ。家本主審のVAR判定…大型ビジョンに04年5月の広島-柏戦が映し出された、自身のスローイングによる伝説のO・Gだ。その再現で10-10。異例のPK対決に突入した。 キックオフ前は、長男の太童(20)が始球式でPKスポットから手でボールを投げ込んだ。開始前からの壮大な“前振り”。南は「試合が決まってから『期待してます』のメッセージがたくさん届いた。やらないのはエンターテインメントとして寒いな」。PK戦に持ち込むためのO・Gは「枠を外したら、どうしよう」と緊張すらしたという。 公式戦でO・Gをしてから数年は、後悔の日々だった。しかし19年にフジテレビ系「ジャンクスポーツ」で浜田雅功にイジられてから吹っ切れた。「以降、いろんな番組がいじってくれて。まねできないこと」。爆笑演出の引退試合に「初めてO・Gして良かったと思いました」と笑わせた。 最後のカズとのPK勝負はガチンコ。左上に跳び、指先でボールを弾いた。「体が動いた。こんなにうまくいくとは思わなかった。この上ないキレイな終わり方」。笑顔でピッチに別れを告げた。【岩田千代巳】