気になるJujuの来季は? スーパーフォーミュラ参戦継続を希望も「すごく難しい状況」。12月のテストにも参加しない予定
2024年のスーパーフォーミュラが閉幕し、12月11日からは翌シーズンに向けた合同テストを控えている中、日本人女性初、そして史上最年少のスーパーフォーミュラドライバーとして今季参戦したJujuの去就が注目されている。Jujuは5日に都内で行なわれたファンイベントの中で、気になる来季について言及した。 【ギャラリー】人が……乗ってないだと!? スーパーフォーミュラを使った自律走行レース『A2RL』が鈴鹿でテスト ファンイベントには100人を優に超えるファンの他、報道陣も多く集まった。Jujuと父である野田英樹氏はトークイベントの中で、今季のスーパーフォーミュラを通して成長できた点や、学生生活との両立など、様々なテーマについて話した。そしてその中で、気になる来季についても話題が及んだ。 Jujuは鈴鹿サーキットでの最終戦の後の囲み取材で、所属チームのTGM Grand Prixが「来季はTGMとしてスーパーフォーミュラにエントリーしないと聞いている」として、来季のシートは決まっていないと話していた。なお、このコメントが出る前にmotorsport.comの取材に応えていたTGM Grand Prixの池田和広代表は、参戦可否について明確なコメントを残すことはなかったが、資金的にも厳しい状況であるため、自社エントラントで参戦を続けるか、他チームのメンテナンスやエンジニアリングを請け負う形にシフトするかで揺れていると話していた。 父の英樹氏によると、Jujuたちは最終鈴鹿ラウンドの少し前に、「来年TGMで走ることが叶いそうにないということを知った」とのこと。夏頃には海外のカテゴリーからもいくつかオファーがあったというが、来季もTGMから継続参戦する心積もりだったこともあり、先が見えない状況でシーズンオフを迎えることになったという。 またJujuはフォーミュラEの女性限定テストに参加するのではないかとの噂が報道されたこともあったが、英樹氏はトークショーの中で、チーム名については明言しなかったものの、実際にテスト参加のオファーがあり、さらにテストドライバーの話があったことも明かした。ただ同じ週に開催されるスーパーフォーミュラ最終戦への参加が難しくなってしまうこともあり、スーパーフォーミュラのシーズンを最後まで戦い切り、“ケジメ”をつけることを優先したようだ。 そして英樹氏は、現在色々なことを模索しているものの、来季については「見えていない」と語った。また、1週間後に迫ったスーパーフォーミュラの合同テストについても、参加予定はないという。 スーパーフォーミュラ参戦については「3年計画」で進めていたという野田親子。ただ参戦継続の可能性は低いと言わざるを得ないという。ただJuju自身もスーパーフォーミュラに継続参戦して成長の証を見せたいと考えており、英樹氏も「このまま終わらせるわけにはいかない」と感じている。 Jujuは次のように語る。 「スーパーフォーミュラは3年計画で進めていましたし、今年学んだことを1番発揮できる舞台はやっぱりスーパーフォーミュラだと思っています。スーパーフォーミュラで走りたいという気持ちはすごく大きいです」 「ただ現状でそれが叶うかは分かっていないですし、すごく難しいと思います。ただどんな状況であれチャレンジしていくことには変わりないですし、その環境の中で自分が出せるベストを尽くすというのも変わりません。どんなレースになっても楽しんで走る。それを見て一緒に楽しんでいただけたら嬉しいなと思います」 そして英樹氏は、スーパーフォーミュラ継続参戦のチャンスについて「本当に少しだけ残っている」としながらも、可能性としてはかなり低いと強調した。 「今年スーパーフォーミュラをやるかどうか議論した時も、3年後にどうなっているかを考えたら、大きなステップになって苦戦すると思うけど、このチャンスを活かしてチャレンジしてみようと言ってやらせました。その責任もありますし、このまま終わらすわけにはいかないですしね」 「1年目、2年目と成長を見せて、3年目に本当にトップ争いに行けるところを目標にやっていきたいと思っています。でも現状スーパーフォーミュラに乗れる保証(可能性)はかなり低いですね」 「他にもレースのカテゴリーはあるわけだし、もしかしたら最終的にはそこに落ち着いてしまうかもしれない。でも、スーパーフォーミュラのチャンスも本当に少しだけは残っています。針の穴に糸を通すくらいの難しさかもしれませんが」 「Jujuと一緒にこの業界で生きている人間として、マネジメントする側の人間として、結果を出すことは自分自身の戦い、自分自身のチャレンジでもあると思っています。本人が言ったようにスーパーフォーミュラに乗りたいという気持ちがあるのなら、実現できるように最後の最後まで諦めないでやろうと思っています」
戎井健一郎