進化する詐欺被害をハード面からシャットアウト「フィルタ精度上昇」「防止と啓発の外部発信」トビラシステムズ・明田篤社長
「みなさん基本的に『自分は大丈夫』と思っていますが、相手も犯罪のプロなので、電話に1回出たりURLを開いたりすると、巧みな話術やメールにだまされてしまいます。注意喚起などのソフトではなく、ハードで防御していかなければなりません。生成AI(人工知能)で動画も音声もコピーできる大変な世の中です。コンピューターやソフトウエアのセキュリティーが進化しても、最大の弱みは人間なので永遠の戦いです。私たちのような会社がますます必要とされてくると思います」
■「ぶれずに自分たちにしかできないことを」
――詐欺防止の啓発も進めています。社員が詐欺の相手とやり取りしたユーチューブ動画は100万回再生を超えました
「情報発信強化チームが昨年11月から本格的にスタートしました。情報自体は会社に以前からありましたが、認知度向上や注意喚起のために外部発信して活用しようという取り組みです。毎月リポートも出しています」
――どのような社風ですか
「製品は自分たちが考え抜いて発明したものが中心です。営業やマーケティング、採用でも『トビラらしさ』を強調しています」
――挫折もありました
「株式時価総額が基準に足りず、23年に東証プライム市場からスタンダードに指定変更したことですね。前年よりも次の年が必ず成長するという人生を送ってきたので、初めて後戻りした経験です」
――今後の目標は
「メーカーであり続けたいと思っています。ぶれずに自分たちにしかできないこと、誰かがやらなければいけないが、誰も解決できていない課題を自分たちの技術で解決していきたい。焦らず、やるべきことをやっていけば、売り上げや利益、株価など結果はついてくると思います。3年以内にはもう一度プライムに戻り、30年に時価総額1000億円までやり切れるような経営者人生にしたいですね」
【家族構成】妻と1男2女。
【手放せない一品】トヨタの新型プリウス。「日本メーカーの良いところの結晶だと思います。海外で通用する日本製品はそんなに多くないですが、トップはやはり車だと考えています」