櫻井翔が聞く黒柳徹子の“戦争の記憶” 櫻井発案で約1年にわたり対談重ねる『徹子の部屋「戦争」を忘れない』【コメントあり】
櫻井翔 コメント
<櫻井翔 コメント> ◆今回の番組の企画は櫻井さんが発案し、長い時間をかけて進めてこられたと伺いました。この企画をやりたい、やろうと思ったきっかけはなんだったのですか? 昨年のお正月、NHKで『紅白70年』の特番(テレビ70年特集『生放送!紅白歌合戦お正月スペシャル』)で司会をやらせていただいたのですが、その番組で黒柳徹子さんのインタビューが流れたんです。そのインタビューを拝見したときに、「徹子さんってテレビの創成期に強い意志を持ってスタンダードを築き上げられた方なんだ」と思いました。いろんなことと時に戦いながら、自分の信念を持ってテレビを作り上げてこられた方なんだ、と。 そんな徹子さんに、テレビのお話を伺いたい、と思ったのと、それとは切り離して、自分が長年取材してきている《戦争》というものを、徹子さんご自身がどう体験されたのかも伺いたいと考えたんです。でも特に出しどころなどは決まっていなくて、放送の予定もなければ、何か本にするということも決まっていなくて…とにかく走り出してみよう、と本当に身近なスタッフとともに走り出すだけ走り出した、というのが始まりでした。 ◆「テレビの創成期」から「戦争」というものに結びつき、この番組へと至ったのは、櫻井さんの中で何か意識したことがあったんでしょうか? 最初は「戦後の歩み=テレビ」なのではないか、という仮説みたいなものを自分の中で立てていて、並行してお話を伺っていたんですけど、伺えば伺うほど、そしていただいた資料を読むほど、この『徹子の部屋』というのはとんでもないアーカイブなんじゃないか、という思いが生まれまして…(笑)。もちろん、楽しいお話、温かいお話もたくさん詰まった番組でいらっしゃるのですが、同時に見方を変えるととんでもない証言資料が詰まっているということを知りまして、このような番組を実現させていただくことになりました。なんかもう夢のようで、想像をはるかに超える形になり、もう感無量です。 ◆収録を終えた今、どんな思いが心に生まれていますか? やはりあれだけの名だたる方々、テレビで活躍されてきた方々が、涙ながらに《戦争》を語る姿というのはインパクトが強かったです。これまでに“情報”として文字で読んできたような話でも、やはり目の動きや言葉の強さを目の当たりにして、映像の力を感じましたし、映像は強いなと思いました。 その上で、今、心にある思いとしては…「辛い」が大きい気がします。伺っていてつらい話もどうしても多かったですし、重みもあり…。だけど、最後に徹子さんが言ってくださった「平和を伝える装置」としてのテレビであるとするならば、この「つらさ」をリアルに感じ取ってもらうことが、結果として平和というものにつながっていくのかなとも感じました。 ◆櫻井さんと同年代、あるいは少し下の年代の方々にこの番組をこんなふうに見てもらえたら、という櫻井さんの思いをお聞かせいただけますか? 僕と同じ世代だと40代、30代の方々になると思いますが、きっと「おじいちゃんの話、聞きたかったなぁ」「おばあちゃんの話、もっと聞いておけばよかったな」って思う世代だと思うんです。10代、20代で遊んでいる時期からだんだん変わっていって、昔話も聞いておけばよかった、って思い始める年代かなと思うんですよね。だからこの番組を見て、自分の本当のおじいちゃん、おばあちゃんではないかもしれないけど、「聞きたかった話があった」って思ってもらえたらいいなと思います。しかもこれを戦争資料館などで見るのではなく、テレビで届けていたんだ、ということも実感していただけたら。そしてまた、それを下の世代に伝えていくことができればうれしいなと思います。 ◆このプロジェクトをこの先も続けていくことも大切になっていくと思いますが、櫻井さんの今後の展望などは? 今回、お話を伺えたお2人(寿大さん、千田さん)がくしくも同じ学年だったのですが、同じ学年の人たちが取り組んでいることに触れられてうれしくて心強かったんです。と同時に、もっと自分でもやらなきゃという、少し恥ずかしい気持ちにもなりました。きっと、そうやって戦争の記憶を伝えている方って、まだまだいると思うので、同じ年ではなくても、同じ年代の同じ思いを持っている人たちに、もっともっとお会いしたいな、と強く感じました。 また、お2人ともお子さんがいらっしゃって、次の世代へ伝えていきたいという思いもお持ちでした。今生きている人たちにとっては、戦争というものはどうしても過去のものになってしまうし、同時に過去のものにしなくてはいけないものだとは思います、二度と同じことをしないためにも。過去のものにするためにも語り継いでいきたいし、そういった気付きや引っ掛かりになることを続けていけたらいいなと思います。
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