高橋藍との日本代表対決は大阪B・西田有志の勝ち 圧巻21得点！ストレー倒 「SVリーグ」開幕6513人が大熱狂／バレー
バレーボールの新リーグ「大同生命SVリーグ」が開幕し、昨季Vリーグで準優勝の大阪B（前パナソニック）が王者サントリーを3－0で破った。歴史に残る一戦は、男子日本代表でパリ五輪でも活躍した西田有志（24）と高橋藍（23）を擁する人気チームの対決で6513人が来場し、大観衆で熱気に包まれた。女子は12日に開幕。バレーボールを国内でプロスポーツに育てようとする新リーグが、本格的に動き出した。 6513人の観客が入り、大阪Bの青、サントリーの赤のシャツを着た観客で二分された客席。熱気の中で世界最高峰リーグへの第一歩を踏み出した。3－0で開幕戦を飾った大阪Bの西田が胸を張った。 「しっかり、面白いバレーができたと思う」 昨季のVリーグ男子で開幕カードの最多観客数は東京GB－パナソニック（代々木第二体育館）の2783人。倍以上のファンが新リーグの歴史的な一戦を見守った。 コートでは、身長218センチを誇るサントリーのムセルスキーや、パリ五輪で銅メダルを獲得した米国のエース、ジェスキーら世界トップ選手が躍動。中でも西田は得意の強烈なサーブで相手を崩して連続得点する好調さ。バックアタックやブロックでも得点を重ね、両チーム最多の21得点と活躍した。 観客席では今夏のパリ五輪を最後に引退した妻の古賀紗理那さんがチームのシャツを着て応援＝写真。夫の得点に大喜びをする場面もあった。それでも西田は試合後も笑顔は見せず、真剣な表情を崩さなかった。 「勝利は大きな部分だが、SVリーグの中の1勝でしかなく、そこまで喜ぶ感情もない」 1967年に「日本リーグ」として発足した国内リーグ。94年には将来のプロ化などを目指して「Vリーグ」に移行したが、参加企業の反発などで改革は不発続きに。代表が国際試合で活躍してバレーが注目されてもリーグの活性化にはつながらなかった。西田は「失敗を続けるわけにはいかない。これが最後のチャンス」と、SVリーグ発足によるバレーの人気競技化にかけてきた。 「どういうふうに次を見せていくのかが重要。（今回の改革は）失敗できない。チームとしても個人としても意識してやっていきたい」と西田。「（サントリーとの第2戦が行われる）月曜に向けて準備を続けないと」と、ストイックに未来を見据えた。（只木信昭）
