小池百合子は「もう限界」で蓮舫は人気ガタ落ち…都知事選「女性対決」がグダグダになりそうな理由
相乗りする「自民党」の没落
自民党の没落はさらに深刻だ。同区長選では自民党は事実上、河野陽子前区議を擁立した。河野氏は河野太郎デジタル大臣のはとこで、河野大臣が応援のために目黒に入っている。にもかかわらず、区長選での河野氏は1万2149票しか獲得できず、5人中で4位と振るわなかった。 それは26日に行われた都議補選にも影響した。自民党は井澤京子元衆院議員を擁立し、小池知事からも応援動画が寄せられた。井澤氏のポスターには小池知事の顔写真と名前が入った応援シールが貼られていた。最初は小さいサイズだったが、最終日にはその上に4倍の大きさのシールが重ねられた。 にもかかわらず、井澤氏が獲得したのは1万1039票で、前月の区長選で河野氏の得票数にも及ばなかった。「小池効果」はゼロといってよい。 その傾向はすでに表れていた。小池知事が結成した都民ファーストの会は、2017年の都議選で55議席(追加公認の6議席を含む)を獲得して都議会第一党に躍り出たが、2021年の都議選で現有議席から15議席も減らしている。 2022年の参議院選で小池知事は、衆議院時代から秘書として仕えた荒木千陽元都民ファーストの会代表を当選させられなかった。東京都選挙区に出馬した荒木氏の得票数は28万4629票で、その2年前の都知事選での小池知事が得票した約366万票の10分の1にも満たなかった。
「学歴詐称疑惑」が再燃する
次回の都知事選では、小池知事の「カイロ大学学歴詐称疑惑」が大きく取り上げられるだろう。発信源は小池知事の元側近の小島敏郎氏とカイロ時代のルームメイトだった北原百代氏で、身内からの暴露は信用性が高い。 ただし「小池百合子がカイロ大学を卒業していない」ことを証明するにはカイロ大学が認めなければならず、そのハードルは高い。それでも「学歴詐称疑惑」が大きく話題になれば、小池知事には不利になる。 小池知事に学歴詐称について詳細に綴られた『女帝小池百合子』は2020年に刊行されたが、同年の知事選で小池知事が大量得票したのは、新型コロナウイルス感染症のまん延で選挙活動が大きく制約されたために他ならない。有権者に名前が知られている現職が有利となり、小池知事は直接の批判を避けることができたからだ。 そうした意味でノーマル化された7月の都知事選は、「神通力を失った女性同士の戦い」が注目されるだろう。またそれに便乗して、さまざまな候補が手を挙げており、一種のお祭り騒ぎとなりそうだ。 16兆円の予算を握り、16万人の公務員を従える東京都知事の権限は絶大。その魔力を求める争奪戦が間もなく繰り広げられる。 もし近いうちに解散総選挙が行われたら、「裏ガネ議員」はどれだけ当選できるのか? 関連記事では、独自に予測した『「裏ガネ総選挙」で落選する議員の全実名』を掲載している。
安積 明子(政治ジャーナリスト)