「お前がやりたいことは何だ」…プー太郎寸前の「Fラン出身ダメ社会人」を変えた先輩の一言
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第1回
人から遅れている分だけ伸び代は大きい
私の出身大学はいまならFランと呼ばれそうな地方の私立大学です。私の地元で大学の名を伝えてもほとんどの人が知りません。そんな大学でしたが、アルバイトをしていた北九州コカ・コーラ社の方から紹介してもらい、なんとか地元の四国コカ・コーラボトリング社に採用されました。 当然かもしれませんが、なんとか採用された私は同期で入社した他の有名大学出身者とは配属先から異なります。国立大学、有名私立大学を出た彼らは全員が本社勤務です。一方の私は営業所のルート営業マンの助手から社会人生活をスタートしました。ルート営業はルートセールスとも呼ばれ、それぞれが担当する店舗の訪問日を一週間で割り振り、毎週、決められた曜日に所定のお店に訪問するといった営業スタイルです。 本社勤務が偉い訳でも、営業所で助手をやることが劣っているということでもありませんが、雨風にさらされて外回りをしている自分とスーツを着てオフィスでさっそうと仕事をしている彼らとを比較すると、自分がなんとも情けないように思えました。
わずか三ヶ月で同期は半分に
営業所のマネジャーは「外回りの仕事は面白いだろう。そう思わないか」とよく言っていましたが、つくり笑いで「そうですね」と返しながら、「何を言っているのだろう。この状況でそう思えるならたいしたものだ」というのが本音でした。 ルート営業は、トラックに製品を積み込み、決められた店舗へ配達を行い、売り場への商品の補充、さらに担当地域の新規開拓に回るのが仕事です。ちょっとした空き時間があれば、行ったことがない会社や事務所に伺い、自動販売機の売り込みをします。 まだテキパキと仕事を進めることができないことに加え、営業という仕事は商談をする相手が存在するので、こちらの都合に合わせた時間に収まってはくれません。一方で、その日に決められたお店はすべて訪問しなければならないので、新規開拓や訪問先で新たな提案を行うなどの時間を上乗せすると、必然的に帰社が遅くなります。 外回りの仕事は時には早朝から深夜に及ぶこともあり、慣れないこともあって上司や先輩から連日のように叱られます。さらに訪問先では厳しいことを言われて落ち込みます。一緒に入社した50人を超える同期は3ヵ月後には半分が会社を去っていました。