458人死亡した福岡県大牟田市の旧三井三池炭鉱三川鉱炭じん爆発事故から61年、犠牲者の冥福祈る
458人が死亡し、839人が一酸化炭素中毒となった福岡県大牟田市の旧三井三池炭鉱三川鉱炭じん爆発事故から61年となった9日、三川鉱跡で慰霊祭が開かれた。事故の遺族や旧炭鉱関係者ら約60人が参列し、悲惨な歴史を未来に語り継いでいくことを確かめ合った。
事故は1963年11月9日午後、三川鉱第一斜坑で発生。石炭運搬車が暴走し、火花が粉末状態になっていた炭じんに引火して大爆発し、戦後最大の炭鉱災害となった。中毒患者は記憶障害や頭痛など高次脳機能障害に苦しめられ、約40人が現在も治療を続けているという。
慰霊祭は、遺族や市民らでつくる団体が募った寄付金で建立した慰霊碑前で行われた。主催した「三川坑慰霊碑顕彰会」の芳川勝代表(81)は、事故発生後、生き埋めになった仲間の救出作業に当たった経験を語り、「三川鉱周辺にあった店の屋根も吹き飛ばされていた。毎年11月になると、当時の様子を思い出す」とあいさつした。
慰霊碑前に設けられた祭壇には白菊が供えられ、被災者や遺族が書き残した手記や詩の朗読、旧三井三池炭鉱で働いていた荒木栄(1924~62年)が作った労働歌「炭掘る仲間」の合唱などもあり、犠牲者の冥福を祈った。