【40代、50代・更年期の基礎知識 】「診察で閉経年齢を聞かれたら、どの時期を答えればいい?」
あなたは自分の閉経年齢を正しく把握しているだろうか?勘違いしている人も多いので、閉経の定義をおさらい。産婦人科医の吉形玲美さんに詳しく教えてもらった。今後の受診に役立てて。
Q. 診察などで閉経年齢を聞かれますが、よくわかりません
A. 月経が止まって1年経過したとき、1年前を振り返って「閉経」とします。最後の月経があったときの年が「閉経年齢」です 「医学的には、40歳を過ぎて1年以上月経がこない場合、1年前を振り返り、最後に月経がきた時点の年齢を閉経年齢とみなします。例えば、昨年12月に月経があったきり今年の12月になっても月経がなければ『昨年12月で閉経した』ということになり、そのときの年齢が閉経年齢です。1年たったときの年齢ではないので間違わないようにしましょう」(吉形先生)
◆閉経と更年期の関係を表した図 最終月経が完了したときを閉経年齢とする。もし、1年たたずに月経がきたら、カウントし直すことに。
Q. 自分がいつ頃閉経するか、予想できるといいのだけれど?
A. 残っている卵子の数で、閉経時期はある程度予想できます 「《【2024年・更年期の基礎知識】「『更年期がなかった』という先輩がいるけれど本当?」 あるある勘違いとは》という記事で『卵巣から卵子がなくなったら閉経』とお伝えしました。実は、簡単な血液検査で卵巣にどのくらい卵子が残っているかを知ることができます。 不妊治療をしたことのある人なら聞いたことがある『AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査』がそれ。値が高ければ、卵胞のストックがあるので閉経はまだ先と推定、逆に値が低ければ、閉経が近い可能性があります。妊活中の方は検査することが多いですが、閉経の予測を立てたい人にも希望があれば実施します。 このほか、婦人科では卵胞刺激ホルモン(FSH)の数値、エストロゲン(E2)の数値とあわせて、閉経や更年期の予測を立てることができます」 次回は、 更年期に起こる顔や体の「たるみ問題」「薄毛問題」の原因と対策を教えてもらう。 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) 撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 グラフ/小柳東子 構成・原文/蓮見則子