日本株は「軟調な展開」も、上昇すると予想。業績相場に入ることで下値は限られそう ~マーケットの振り返りと見通し【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】
6.為替
<現状> ●円の対米ドルレートは、157円近辺に大きく下落しました。日銀が4月会合で金融政策を維持したことを受け、日米金利差が開いた状況が長く続くとの見方から、円売りが一段と加速しました。日本の祝日の29日には、一時34年ぶりの安値水準となる160円台を付けました。 ●円の対ユーロレートは、日欧金利差を意識した円売りが強まり、168円台に下落しました、29日には一時171円台を付け、最安値を更新しました。 ●円の対豪ドルレートも、日豪金利差が開いた状況が長く続くと見方などから円売りが強まり、大きく下落しました。 <見通し> ●円の対米ドルレートは、当面はもみ合い推移が続くものの、米金利の低下に伴い、緩やかに上昇すると想定します。先行きはFRBの利下げ開始と日銀の利上げによる日米金利差縮小が円の上昇要因となるとみています。ただし、日銀は連続的な利上げを急がず、円の上昇余地は限られそうです。 ●円の対ユーロレートは、当面レンジ内でもみ合うものの、先行きはECBによる利下げと日銀の利上げが意識され、緩やかに上昇するとみています。 ●円の対豪ドルレートは、当面レンジ内でもみ合うものの、先行きは豪州中銀の利下げと日銀の利上げが意識され、緩やかに上昇するとみています。
7.リート
<現状> ●グローバルリート市場(米ドルベース)は、各国の長期金利が上昇したことを受けて、大きく下落しました。S&Pグローバルリート指数のリターンは前月末比▲6.4%でした。また、円ベースのリターンは、為替効果がプラスに寄与し、同▲2.7%となりました。 ●米国は、FRBの利下げ観測が後退して長期金利が上昇するなか、投資家のリスク回避姿勢が強まり、大きく調整しました。アジア・オセアニアも、長期金利の上昇を嫌気して下落しました。一方、日本は、長期金利が上昇するなかでも底堅く推移し、小幅に上昇しました。 <見通し> ●グローバルリート市場は、先行き米欧の中央銀行の利下げに伴い長期金利の低下が見込まれ、借り入れコストが改善することや、米景気のソフトランディングにより世界景気が底堅く推移し、賃料収入の安定推移が期待できることから、回復基調を辿ると予想します。 ●米国は、先行きのFRBによる利下げ開始や景気のソフトランディングから、持ち直すとみています。欧州は、ECBの利下げ開始により上昇するとみています。アジア・オセアニアは、景気の回復基調を背景に上昇するとみています。日本は、オフィス空室率の改善を背景に上昇するとみています。
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