W杯アジア最終予選で中国に大勝した日本代表。福西崇史が最も評価したのは「ボランチ+3バックの安定感」
また、逆サイドでは堂安と久保が常に良い距離感でプレーできていて、各所でコンビネーションが意識されていたことも良かった点です。 その後は、高井幸大のA代表デビューや伊東純也の代表復帰ゴール、田中碧や小川航基の起用など、サポーターたちが待ち望んでいたもの、楽しみにしていたものが全部見られた試合になりました。 中国戦はよくラフプレーで荒れがちでしたが、そんな展開に持ち込むことさえできないほど、日本が圧倒した内容だったと思います。 個人的にもっともよかったと思うのは、ボランチ+3バックの安定感でした。あれだけ前に人数をかけて圧倒できたのは、3バックで守り切れるという前提があってこそ。前線のタレントで相手を崩す工夫は随所に見られましたが、そこに行くまでボールを運んで作る部分ではボランチの立ち位置、やり方が非常に大きい部分です。 そこでとくに守田が前半と後半でやり方を変え、前線に厚みを加えることでより中国を押し込むことにつながりました。ボランチ+3バックの安定したプレーによって、あれだけのハーフコートゲームになったと思っています。 次節、9月11日(火)に行われるアウェイのバーレーン戦は切り替えて臨む必要があります。オーストラリアがホームで圧倒的に攻めながらワンチャンスを決められてバーレーンに敗れました。 次はバーレーンのホームですが、相手は引いて守り、カウンターでチャンスを狙ってくるはずです。バーレーンは非常に高温多湿で、普段通りのプレーはどうしても難しくなります。一つのミスでやられることはいくらでも想定できるので、オーストラリアの二の舞にならないように、より集中力と慎重さが求められます。 昨年からロベルト・マンチーニに監督が変わったサウジアラビアもインドネシアに引き分け、最終予選はまだなにがあるかわかりません。中国戦の大勝で気を抜くことなく、日本が再び良いパフォーマンスを見せてくれることを期待したいと思います。 構成/篠 幸彦 撮影/鈴木大喜