最終的には思うがままに動くべし!フジロックフェスティバル2024年“おすすめの巡り方”
おすすめは音楽で叶える“世界旅行”
2日目はとにかく長く起きていたい。何故ならば、朝から翌朝まで起き続けることが出来るのであれば(それは多分無理なのであるが笑)音楽の世界旅行が出来てしまう日だからである。まずはPYRAMID GARDENの朝10時からドラマー、シシド・カフカが主宰するアルゼンチン・ブエノスアイレス発の音楽プロジェクトel tempo。こちらは100種類を超えるハンドサインを用いるその場限りで一期一会の完全即興による打楽器セッション。今回のフジロックにも日本を代表するドラマー、パーカッショニスト達が集結する予定とアナウンスされている。お次はグリーンステージで11時からTOKYO SKA PARADISE ORCHESTRAでジャマイカ生まれのスカで踊り、12時40分からホワイトステージのsyrup16gで日本語ロックの深淵を覗き、14時からはレッドマーキーでオーストラリア出身、中心人物のラジャン・シルヴァがルーツとして持つインドやその他多様にエキゾチックなサウンドをファンクに織り交ぜるGLASS BEAMSへ。そこから再びグリーンへ戻れば今度は10-FEETがパンクやヒップホップ、そしてスカパラとはまた違った解釈でのスカや同じくジャマイカ発のレゲエ、そしてそのサブジャンルであるラガマフィン(「RIVER」のサビラストで歌われる”あのRIVER”のダミ声なんかがラガマフィン的なボーカルの特徴)まで聴かせてくれるであろう。 マーキーに16時から出演するフィリピン・マニラ生まれのEYEDRESSを観た後の17時からのグリーンでは、もはや世界とか関係ないけど究極の生命体MAN WITH A MISSIONが奏でるジャンルレスなロックで身を焦がし、またマーキーに戻って18時からのNONAMEでアメリカ、シカゴ流のラップに身を委ね、19時からはヘブンのCHRISTONE “KINGFISH” INGRAMで本場ミシシッピのブルースを聴こう。ここからタイムテーブルモロ被りのホワイトのSAMPHAかマーキーのKID FRESINOかは非常に迷うところであるが、お次は偉大なるテクノポップのイノベーター、KRAFTWERKでドイツのアウトバーンへ行こう(THE YUSSEF DAYES EXPERIENCEも非常に捨て難いが音楽の世界旅行という意味ではテクノ、並びにドイツは外せない)。 夜が更けてからも音楽の世界旅行はまだまだ続く。マーキー深夜帯のTRIBAL CIRCUSでは2manydjsでベルギーのダンスミュージックに狂い、その後のHIROKO YAMAMURAはシカゴ仕込みのDJなので先述のNONAMEと繋がるし、CRYSTAL PALACE TENTのALIでインドネシアのサイケなファンクに浸った後のコモエスタ八重樫でラウンジミュージック、和もの、レアグルーヴなど日本特有のルーツミュージックを挟んでからYIN YINで再びサイケなファンクにどっぷり。こちらはオランダ発のバンドである。ここまできたらもう深夜2時を超えているが、ここから夜明けまではパレスにてCARIBBEAN DANDYのラテンカルチャーに根差した音楽、続くESNE BELTZAはスペインの自治区であり、フランスの地方の1つでもあるバスク地方のバンドだ。バスクの伝統楽器トリキティシャ(アコーディオンの一種)が聴ける。ラストはPACHAMAMAによる南米コロンビア発祥のクンビアで朝5時を迎えよう。 と、いった形で2日目は朝10時から翌朝5時まで19時間ほぼぶっ通しでライブを観続けることが可能ならば日本、アルゼンチン、ジャマイカ、オーストラリア、フィリピン、アメリカ、イギリス(SAMPHAを選択すれば)、ドイツ、ベルギー、インドネシア、オランダ、バスク、コロンビアと実に13ヵ国(バスクは国ではなく自治区ではあるが)もの音楽旅行が可能となっているのだ。フジロックの懐の深さがよく分かる多種多様なラインナップ。こんな風に“擬似旅行”なんてテーマでマイタイムテーブルを組んでみるのも面白いなんて思ってのご提案でした。 それとは別に2日目で個人的に激推しなのがROOKIE A GO-GOIにて25時から出演予定のHOME。沖縄出身の3ピースで昨年リリースの1stシングル「Lucy」がとにかくツボで以来愛聴させていただいており、その後リリースされたLucy収録のEP2曲目の「常時」がさらにツボでこれは是非とも生Lucyと生常時を強く所望したい次第。あと苗場食堂でSIX LOUNGEとTHE FOREVER YOUNGと東京初期衝動が観られるってのも超いいんだよなあ。