せり上がる道路に回転する道路! 日本全国の「可動橋」が見ずに死ねるかレベルの芸術だった
橋が動く仕組みを採用した可動橋は日本に多く存在する!
2024年のパリ・オリンピックの象徴ともなったエッフェル塔は、建設技術者エッフェルによって設計され建てられた。その美しさはいうまでもないが、技術的には橋梁建設の経験を生かして建造されたといわれている。同じように鉄骨で建造され、シンメトリーな橋梁の美しさにも心惹かれるものだ。近年ではそんな橋を愛でる「橋ガール」なる女子もいるそう。なかでも船が通るときだけ橋桁を上げて通行可能にする可動橋には、その多彩な表情にロマンさえ感じる。今回、日本で2024年時点で可動している橋をいくつか紹介しよう。 【写真】1度は見てみたい! 日本に存在する可動橋たち(全10枚)
可動橋の種類と特徴
可動橋は、その動きの仕組みによって大きく4つのタイプに分類される。まず「跳開橋」は、「跳ね橋」とも呼ばれ、橋の中央部分が左右に分かれて開く形式である。代表的なものとしては、東京都の「勝鬨(かちどき)橋」が挙げられる。現在は可動していないが、1940年の完成以来、東京のランドマークとして親しまれてきた。 次に「昇開橋」は、橋の一部または全体が上に持ち上がる形式だ。国指定重要文化財であり、機械遺産にも認定されている福岡県大川市と佐賀市諸富町に架かる「筑後川昇開橋」が有名だ。以前は国鉄佐賀線が通っていたが、いまは遊歩道になっていて、毎週月曜日ほか特別な休業日以外は開閉している。 3つ目は「旋回橋」で、橋桁が水平に回転して開く仕組みである。京都・天橋立と文殊堂のある陸地をつなぐ橋が有名だ。 大正12年に手動でまわる「廻旋橋」として完成。電動となったいまでも毎日回っている。 最後は「引込橋」だ。これは橋の一部が固定されている部分にスライドして開く形式である。日本では青森県の「青森ラブリッジ」がこの形式を採用している。
全国の代表的な可動橋と見どころ
日本全国にはさまざまな可動橋が存在する。関東エリアでは東京・豊洲にあるアーバンゲートブリッジが勝鬨橋と同じ「跳開橋」として稼働している。 関西エリアでは、前述した天橋立廻旋橋のほか大阪港の夢洲(ゆめしま)と舞洲(まいしま)を結ぶ世界初の旋回式浮体橋「夢舞大橋」が有名だ。ただ、開閉は現在訓練時に限られていて、日常的に見られるものではない。 九州地方では、筑後川昇開橋以外にも多くの可動橋が現存している。北九州市門司には「ブルーウィングもじ」が全長約108mの日本最大級の歩行者専用跳開橋として知られている。1日に6回、毎日跳ね上がる様子を見ることができる。熊本県にあるのが上天草と下浅草を結ぶ赤い色が印象的な昇開橋「本渡瀬戸歩道橋」がある。この橋は船舶が通過するときに随時可動している。