【解説】「隆起」が“津波の防波堤”に 輪島市では約4メートル「隆起」
■「隆起」した海岸が“天然の防波堤”に? 被害が抑えられた可能性
中濱 災害担当デスク 「今回の地震なんですが、地震のメカニズムは、『逆断層型』というタイプの地震で、能登半島の『北側』は、海岸線も含めて地面が上に上がるような感じでした。 これが、いわゆる“天然の防波堤”のような役割をしたことによって、輪島市など能登半島の『北側』では少し『津波』の被害が抑えられた可能性があると専門家たちはみているんです。 一方で、能登半島の『東側』では、こういった大きな『隆起』現象が見られていないんです。そのため、海岸線沿いに『津波』が到達してしまって大きな被害が出た、というふうにみられています」
■4メートルの津波が到達していた場所も…
中濱 災害担当デスク 「気象庁が観測できた『津波』は、輪島市で最大1.2メートル以上ということで止まってしまっているのですが、専門家たちが現地調査を行い、『津波』の痕跡を調べました。 それによると、4メートル近くに達する場所もあったということで、かなり大きな『津波』が町を襲ったのではないかとみられています。 海岸線が変わってしまったことで、今後の漁業などへの影響も心配されるなか、それをどうやって再建していくか、考えるところがあると思います」
■津波警報が出るよりも早く、「津波」が到達する可能性が
市來キャスター 「そして、今後も、特に日本海側で『津波』への警戒が必要な理由というのがあるんですよね」 中濱 災害担当デスク 「上の図(CG)は、中央大学の有川教授の研究グループが、今回起きた地震によって『津波』が広がる様子というのを示したものです。 能登半島から『津波』が広がり町を襲っていくのですが、地震直後すぐに陸地に押し寄せています。今回の地震は、地震発生後数分で『津波』が陸に到達したとみられているのですが、これは、日本海側で起きる地震津波の特徴なんです。震源が陸地に近い所で起きる地震が多いので、『津波』がすぐにやってきます。 なので、場合によっては、津波警報が出るよりも早く『津波』が到達する可能性があります。強い揺れを感じたら、情報を待たずして、高い所に避難するとか、そういった行動が必要になるかと思います」