【F1メカ解説】最強レッドブル、その止まらない創意工夫……サウジアラビアでは冷却用パネルの調整で、最高速を確保
レッドブルは先日行なわれたF1サウジアラビアGPでも完璧な強さを見せ、1-2フィニッシュを達成した。これで開幕戦バーレーンGPに続き、2戦連続の1-2フィニッシュ。ダブルタイトル3連覇に向けて死角はまったくなしといった状況だ。 【F1ハイライト】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 そのレッドブルのサウジアラビアGPでの強さの秘密は、直線スピードにあった。 予選中スピードトラップで最も速かったのはハース勢で、ニコ・ヒュルケンベルグが338.3km/hを記録して最速。チームメイトのケビン・マグヌッセンも334.7km/hであり、ハースが1-2を占めた。 それに続いたのがレッドブルRB20を駆ったマックス・フェルスタッペンで、333.1km/h。チームメイトのセルジオ・ペレスも、8番手ながら332.1km/hを記録している。 しかもハースは直線スピードに振ったセッティングであったものの、レッドブルは最高速を伸ばしながらもダウンフォースをしっかりと発揮できており、コーナリングスピードも十分に高かった。つまり高速性能とコーナリング性能を、高い次元でバランスさせることができていたと言える。 ダウンフォース、そして空気抵抗のレベルは、リヤウイングの大きさに左右されることが多い。しかしサウジアラビアで特に興味深かったのは、レッドブルはRB20のボディワークを変更することで、その目的を達成するように見えたことだ。 彼らはボディワークの冷却用開口部を脱着することで、空気抵抗を調整していたようだ。この冷却用の開口部が少なければ空気抵抗が減ることになり、その分最高速を高めることができるわけだ。 レッドブルはRB20を巧みに設計。エアボックスこそオーソドックスなデザインであるが、細長い縦と横方向のインレットを設けたサイドポンツーン、そしてヘイローの内側に存在するシュノーケル状の開口部……これらをうまく使うことで、違いを生み出している可能性がある。