新旧に賛否両論の「再アニメ化」3選 過度なアニオリに作者も苦言を呈す
エグすぎ…原作にない悲劇が描かれた『ハガレン』
現在放送中のアニメ版『ONE PIECE(ワンピース)』が最終章へ突入しているなか、『THE ONE PIECE』として原作1話目からの新アニメシリーズの制作が決定しています。過去にもさまざまな事情があり、複数回にわたってアニメ化された作品があります。今回は、なかでも賛否を巻き起こしながら「再アニメ化」された3タイトルを見ていきましょう。 【画像】え、かなり違う! こちらが「再アニメ化」で好き嫌いが分かれるビジュアルです(6枚) ●『鋼の錬金術師』 『鋼の錬金術師』は2003年に初アニメ化されるも、まだ当時は原作マンガが連載中ということもあり、途中からアニメオリジナル、いわゆる「アニオリ」のストーリーが展開されました。 錬金術の存在する世界で、兄の「エドワード・エルリック」(以下、エド)と弟の「アルフォンス・エルリック」(以下、アル)のふたりの主人公は、亡き母を蘇らせるため、禁忌であった人体錬成に手を出して失敗。その代償としてエドは右腕と左足を、アルは魂以外の全身を奪われてしまいます。そして元の姿に戻るために手掛かりとなる「賢者の石」を求め旅に出ます。この大枠は原作と同じですが、途中からアニオリのストーリーになっていきます。 特に最終回は完全オリジナルで、エドが現実世界のドイツへ転生するところで終了し、後の『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』につながるストーリー展開となりました。 また、当時話題となったのは登場人物の「ロゼ」のアニオリ展開、通称「ロゼ事件」です。ロゼは軍に連行され、暴行を受けたと思わせるオリジナルの描写がされました。このシーンには良い印象を持たなかった人が多かったようで、後の「アニメディア」2004年10月号でのインタビューで、原作者の荒川弘先生も「私が目指す少年マンガにおける娯楽の範囲から逸脱していた」と苦言を呈したほどでした。 一方で、再アニメ化となる2009年版『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』では、原作のストーリーに沿った展開で最終回まで描かれ、原作ファンにとっても満足度の高い内容となったようです。