創部100年の三島南、初の甲子園へ 躍動誓う地元のヒーロー 第93回選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会の選考委員会が29日、オンラインで開かれ、三島南(静岡)は21世紀枠で初出場が決まった。 【センバツ出場校決定】運命決めた選考の様子 三島南の選手たちはグラウンドで、持山育央(やすひろ)校長から吉報を伝えられた。21世紀枠での甲子園初出場に、目を潤ませる選手もいた。 昨年、創部100年を迎えた伝統あるチーム。伊藤侍玄(じげん)主将(2年)は「選ばれたことを自信にして頑張りたい」と喜んだ。 「地域の野球人口が減っている現状を何とかしたい」。2013年に赴任した稲木恵介監督(41)が考案したのが、地元の幼稚園児や小学生を対象にした野球体験会などの開催だ。14年末から計31回を数え、参加者は1000人を超える。 園児らと目線の高さを合わせ、優しく野球の楽しさを伝える選手たち。「将来は三島南で野球がやりたい」と親しむ子どもたちにとって地元のヒーローだ。 練習ではリアルタイム映像でプレー動作を確認したり、スイングスピードを数値化したりとICT(情報通信技術)を駆使。昨秋の県大会で4強入りし、今回の甲子園切符につなげた。 主軸の前田銀治選手(2年)は「先輩から受け継いできた活動が評価されてうれしい」。稲木監督も「今できることを一日一日、精いっぱいやるだけだ」と意気込んだ。【深野麟之介】