【高校ラグビー開幕】『京都工学院』伝統の"赤黒ジャージ"が躍動...広川主将「自分を信じて、仲間を信じる」 『秋田工業』名門の底力をみせて大熱戦を制す 『佐賀工業』モール攻撃で松山聖陵を振り切る
<京都工学院vs聖光学院>「赤黒ジャージは結果が求められている」9大会ぶりの花園の初戦を圧勝で飾る
第3グラウンド第2試合では、9大会ぶりに花園への復活を果たした京都工学院(京都)が登場。詰めかけた大勢の観衆の前で「信は力なり」の文字を刻んだ、伏見工業の流れをくむ伝統の“赤黒ジャージ”に身を包んだ選手たちが、聖光学院(福島)相手に持ち前のランニングラグビーで右に左にとトライの山を築きました。 開始2分、ディフェンスから素早く切り返し、SH片岡湊志選手が先制のトライを奪うと、その後は次々とトライを積み重ねていきます。BK陣がスピードの違いをみせつけてインゴールに飛び込むと、FW陣はモールからトライを量産。前半だけで9トライ、リザーブメンバーが数多く出場した後半にも9トライ、112対0の圧勝で2回戦進出を決めました。奇しくも、伏見工業を全国制覇に導いた山口良治監督が就任後の初めての公式戦となった京都府内の大会で当時全国でも有数の強豪校だった花園高校に敗れたときと同じスコアー(0対112で)で京都工学院が勝ち上がりました。 注目のSO杉山祐太朗選手は「赤黒ジャージは結果が求められている。この結果に満足せず、シード校の中部大春日丘を撃破したい」と力強く宣言。チームをここまで導いてきた広川陽翔主将も「自分を信じて、仲間を信じる。自分たちがやってきたことを信じて、まずはシード校撃破に挑みたい」と、早くも次を見据えていました。果たして、伝統のジャージをまとった選手たちがどのような新たな歴史の1ページを刻むのか、この後の戦いに注目です。
<佐賀工業vs松山聖陵>「シード校に匹敵する」と評された実力校が好ゲームを制す
第1グラウンド、第3試合では、シード委員会が「シード校に匹敵する力を有している」と評価した佐賀工業(佐賀)が登場。四国王者の松山聖陵(愛媛)と対戦しました。1回戦の中でも注目の実力校同士の激突。期待に違わぬ好ゲームとなります。 佐賀工業が持ち味のFWを前面に、モールを押し込んで攻撃のリズムをつくると、松山聖陵はFW・BKが一体となってテンポよくボールをつないでいくラニングラグビーで対抗。両チームが得点を取り合い、10対7と、佐賀工業がわずか3点リードで試合は中盤に突入します。 どちらに試合の流れが傾くか、一進一退の攻防が続いた前半終了間際の29分、佐賀工業自慢のモール攻撃が炸裂します。松山聖陵陣内30m付近のラインアウトからモールを形成すると、ここから一気に押し込みます。ゴールラインまでかなり距離がある中、右に左にモールを動かしながら、ディフェンスの薄いところをついて前進すると、そのまま30m近くを押し切ってトライ。ゴールも決めて17対7とリードをひろげ、前半を折り返します。 後半に入っても、佐賀工のモールの勢いは止まりません。後半5分に追加点となるトライをモールから奪うと、松山聖陵に1トライを返された後の18分には再びモールを押し込んでトライ。松山聖陵も24分、意地のトライをモールから奪い返しますが、反撃もここまで。中辻大凱主将が「1日の練習の中で必ずモール練習の時間をつくって鍛え上げてきた。今日はFWで行けば勝てるという自信があった」と語った佐賀工業。粘る松山聖陵を29対19で下して、2回戦進出を果たしました。 「昨年度の大会は、ベスト4敗退。今年度の目標はベスト8だが、1戦1戦戦って成長して、昨年度を超える成績を狙いたい」と締めくくった中辻主将、苦楽を共にしてきた仲間とともに強力なモール攻撃を携えて、2回戦はシード校、東海大大阪仰星に挑みます。