話題にあがりがちな「子どもはぜいたく品」という考え方。ただ、実際「子育て」のお金はかかりますよね?
平均給与がなかなか上昇しない日本では、子育てに回すお金の工面が難しい世帯もあり、時には「子どもはぜいたく品」などといった話題があがることもあります。 しかし、子育てはお金がかかるというイメージはあっても、実際にどれぐらいかかるかを把握しきれていない人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は内閣府などのデータをもとに子育てにかかるお金について紹介します。
中学卒業までにかかるお金
子どもの中学卒業(15歳)までにかかるお金は、内閣府が公表している「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」が参考になります。同資料の「第1子一人当たりの年間子育て費用額」によると、未就学児(0~6歳)までにかかる子育て費用の合計は736万4460円でした。 つまり、年間平均では約105万円(736万4460円÷7年)かかっていることがわかるでしょう。 一方、小学校入学から中学校卒業までの義務教育期間にかかる子育て費用の合計は1163万790円で、年間平均では約129万円(1163万790円÷9年)かかっています。この期間は、基本的に年齢が上がるごとに必要なお金も増えていく傾向にありますが、特に小学校6年生(126万9053円)から中学校1年生(152万7873円)にかけての差が大きいのが特徴です。 これは、中学入学に合わせて習い事や部活などの負担が増えていくケースが多いことが要因と推測できます。以上のことから、子どもが生まれてから中学卒業までにかかるお金は約1900万円(736万4460円+1163万790円)が目安になるといえるでしょう。
高校卒業までにかかるお金
子どもが高校生のときに必要になるお金は、文部科学省の「平成30年度子どもの学習費調査」が参考になります。ただし、「平成30年度子どもの学習費調査」には高校での教育費(学校教育費・学校外活動費)のデータしか公表されておらず、高校生の生活費は記載されていません。 そこで、生活費は先述の内閣府の調査から中学3年生時にかかるお金(161万1802円)のうち、学校教育費(24万3038円)と学校外活動費(5万2714円)を除いた金額(131万6050円)がかかると仮定して試算します。 その結果、子どもが高校生の間に必要になる年間のお金は公立高校に進学した場合、177万3430円(生活費131万6050円+教育費45万7380円)程度かかる見込みです。一方、私立高校に進学した場合は228万5961円(生活費131万6050円+教育費96万9911円)程度となります。 つまり、高校生の3年間で必要になるお金の目安は公立高校が約532万円(177万3430円×3年)、私立高校は約686万円(228万5961円×3年)が目安となるでしょう。