金価格がついに10月は「1万5000円台」に! 貯金をはたき「100万円」分購入しておけば、将来は安泰なの? メリット・デメリットを解説
金は「有事の金」と言われるように、世界で紛争が起きると金の価格は上昇していく傾向があります。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい? ウクライナやガザにおいて大規模な戦争・紛争が起きている現在においてもその言葉通り、金相場は上昇を続け田中貴金属工業の調べによると、10月31日時点で1万5162円/グラムを付けました。11月に入り後はやや水準を下げていますが、11月13日時点で1万4292円/グラムと1万4000円台の高値水準にあります。 今から金を購入することは、資産形成のための投資として良い判断なのでしょうか。金投資に関する一般的なメリット・デメリットについて知り、考えていきましょう。
なぜ「有事の金」と言われるのか。
金は「安全資産」と呼ばれ、現物を購入すれば手元において保有することもできます。金は、現金や株式のような通貨・有価証券ではなく「現物(モノ)」ですので、通貨の価値が低くなるインフレ下において特に強いと言われています。 世界的な不況や戦争などの先の見えない不安定な状況に置かれると、世界中の投資家は株式のような「リスク資産」から「安全資産」にお金を移す傾向があります。このような状況下で金価格は上昇する傾向があることから、「有事の金」と呼ばれるのです。 一方で、世界経済が安定して大きな紛争も起きていないような、いわゆる「平和な時代」においては、投資家は冒険的になって大きな利回りを得るために「リスク資産」へと資金を向かわせる傾向が強くなります。このような状況では金価格は低迷する一方で、株式相場などは大きく上昇します。 このように、現物の金は世界経済・世界情勢が不安定な状況では「投資商品」としてのメリットを感じられる一方で、世界経済が安定しているときは株式などのリスク資産に比べて投資先としては不利になる傾向があるのです。
余裕資金をすべて「金投資」に向けることは極めてハイリスク
図表1のとおり、ここ5年間ほどは、世界中で新型コロナの発生や大規模紛争の発生などが影響し、金価格は比較的順調に上昇を続けてきました。 図表1