石破政権、延命に異様な自信 臨時国会乗り切り〝一転〟衆院選大惨敗の引責どころか…〝参院選も先頭に立つ〟意気込み
ジャーナリストの歳川隆雄氏は23日発行の夕刊フジの連載「永田町・霞が関インサイド」で、石破首相が補正予算成立、政治改革3法成立などで政権運営に「自信」を抱き始めたと指摘した。早期退陣の予測が一転し、「官邸周辺から聞こえて来るのは、何と通常国会を乗り切り、参院選も自らが先頭に立つとの鼻息荒い話が少なくない」と内情を明かした。
そういえば、今月8日、自民党本部で開かれた全国幹事長会議でも、石破首相は衆院選惨敗について、「すべて総裁たる私に帰せられるべきもの」と陳謝する一方、来夏の参院選について、「そんなに時間があるわけでもない」と述べ、自らが先頭に立って準備を急ぐ意向を示した。
今月12日には、自身の「今年の漢字」について「謙虚」の一字を取り「謙」を選んだ。
ある自民党議員は「石破首相はかつて、政権交代に直結しない選挙の敗北でも、歴代総裁に『政治責任』を要求してきた。自身が先頭に立った10月の衆院選は、与党過半数割れの敗北で大政局を招いている。石破首相の今年の漢字は『謙』ではなく『虚』だろう」と突き放す。
石破政権は外交政策でも難題山積だ。
来月、第2次政権を発足させるトランプ次期大統領には、安倍元首相の妻、昭恵さんのとりなしで就任前に会談できる可能性が出てきたが、当初は早期会談を拒絶されていた。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏答弁しくじりで「石破おろし」も
石破政権の今後をどう見るか。
政治評論家の有馬晴海氏は「政権発足から約2カ月半がたち、石破首相にもやや慣れが出てきたのではないか。衆院選がどん底だったとすると、補正予算を成立させ、野党も協力関係を求めるようになった。来年度予算の成立と引き換えに辞任する『4月政変』の観測も根強いが、国会運営や予算の通し方などが少し見え始めてきたのではないか」と分析する。
内閣支持率が低迷するなか、「石破おろし」の動きはないのか。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「年内は『石破おろし』は出てこないだろう。少数与党の限り、石破首相でなくても何もできない。自民党内にも『今辞めさせてどうする』といった意見はある。世論調査でも『石破氏が辞める必要はない』という声がある。そうした世論があるうちは、党内でのろしを上げても、同調する声は広がらないのではないか。ただ、来年の通常国会で石破首相が答弁をしくじると、取り返しがつかないことにもなり得る。安全保障分野で突然持論を披瀝(ひれき)などして、『政府見解と違う』といった批判を浴びると、政権運営にも響きかねない」と語っている。