『全領域異常解決室』一筋縄ではいかない森下能幸の演技 福本莉子はやはりヒルコなのか?
どの作品でも私たちの想像を超えてくる森下能幸
常見によると情報は過去や未来から得ることができるという。常見が現在もなお研究を続けているのは、真鍋に「なぜ捏造という濡れ衣を着せて辞めさせたのか」を問い詰めるためだった。 再び起こった事件では研究員の古庄(山田キヌヲ)の右手が発見されたことで、興玉と小夢は再び常見のもとを訪れる。しかし、マンションに入る途中で小夢が何者かに拉致されてしまう。目を覚ますと、そこには片桐がいた。片桐は、自分の手柄のために常見に濡れ衣を着せた真鍋への憎悪から小型機に爆薬を仕掛けたことを告白する。それにしても森下能幸の狂気的な演技からは研究者としてプライドや妬みなど複雑に入り混じった感情が伝わってきた。森下がゲスト出演する時点できっと一癖ある役だろうなとは思っていたものの、どの作品でも私たちの想像を超えてくる。 小型機の問題は説明できたものの、なぜ空から物体が落ちてきたのか。それはファフロツキーズ現象で説明できる。魚やカエルなどが降り注ぐ自然現象であるファフロツキーズは、実際に日本でも起こっており、2009年には石川県で多数のオタマジャクシが降ってきたことがある。現実に起こることはほとんどないが、一応科学的な説明はできるということのようだ。とはいえ、そんな偶然が二度も起こり得るだろうか。 それには気になる問題が残されている。小夢が見てきた空間が歪む現象のことだ。おそらく今回の事件とも関係しているだろう。シャドーマン、キツネツキそれぞれの現場の防犯カメラに豊玉が映っていることを発見した小夢は「彼女がヒルコです」と語る。ラストシーンで豊玉が語った「全決との対決」というセリフから、彼女がヒルコである可能性はグッと高まった。ここにきていよいよ物語が動き出していきそうだ。
川崎龍也