大阪城で真田の陣太鼓鳴り響く ドラマ「真田丸」放映を前に
大阪城で真田の陣太鼓鳴り響く ドラマ「真田丸」放映を前に THEPAGE大阪
来年のNHK大河ドラマ「真田丸」の舞台となる大阪城天守閣前本丸広場(大阪市中央区)でこのほど、早くもドラマの主役真田幸村の奮戦を待ちわびる応援イベントが2日間にわたって開かれた。秋の日差しを浴びて輝く天守閣を借景に、真田陣太鼓の実演や鷹狩りの再現などが披露され、観客たちは勇壮な戦国ロマンを満喫していた。
ドラマ題名と同じ「真田丸」を力演
初日、信州真田陣太鼓保存会が登場。おそろいの赤いよろい、かぶと姿は「真田の赤備え」に由来する。保存会は1984年のNHKドラマ「真田太平記」放映を契機に翌85年、設立された。以来、真田家の拠点、長野県上田市で真田陣太鼓の保存普及に努め、今年創立30年迎えた。 メーンの演目は、来年のドラマと同じ「真田丸」。1614年から15年にかけて、徳川方と豊臣方が激突した大坂の陣で、優勢なはずの徳川方を翻弄(ほんろう)した幸村の奮戦ぶりに焦点を当てた大作だ。真田丸とは、幸村が冬の陣で大坂城南側に築いた難攻不落の砦(とりで)を指す。 朝霧、集軍、進軍、騎馬合戦で構成。大小の太鼓をたくみに打ち分け、ドラマチックな仕上がりに。部下を鼓舞しつつ、敵陣深く突撃する幸村が目に浮かぶ。
幸村に学ぶ「壁が高くともあきらめない」
「真田丸」は保存会設立とともに創作され、長く演じられてきた。しかし、演じる精神は30年間、変わらない。幸村役を務めた技術指導者、三浦一浩さんによると、「真田家の知略と武勇を陣太鼓で表現するという理念に揺らぎはない」からだ。 この日は「真田丸」の他にも、ジュニアチーム「真田大助隊」が真田十勇士の神出鬼没ぶりを演じる「佐助」を熱演。三浦さんはジュニアチームと向き合うとき、「どんなに壁が高くとも、あきらめることなく挑み続けた幸村公の精神を受け継ごう」と、繰り返し語って聞かせるという。 持てる得意技を磨いて困難に立ち向かう幸村に学びたい。三浦さんは「私たちが陣太鼓に打ち込んでいるように、皆さんそれぞれが自分なりの得意技を磨いて人生を切り開いてほしいですね」とエールを送る。