王者盤石の快走 都大路へ! 男子・浜松日体 女子・浜松市立 ともに連覇 静岡県高校駅伝
2位藤枝明誠 食らい付くも「実力不足」痛感
藤枝明誠は1区のエース木村主将が区間賞でけん引し、2位に食い込んだ。全区間5位以内と最後まで安定したレース運び。それでも、目標の優勝は遠く「実力不足が身に染みて分かった」と唇をかんだ。 けん制し合ってスローペースが続く中、リードをつくろうと先頭集団を抜け出した。韮山の長谷川に並走されたが、振り切ってたすきリレー。2区小沢もトップを守って3区遠藤につないだが、浜松日体に選手層の厚さを見せつけられた。 ただ、全国のチャンスはまだ残っている。木村は「目を背けずに結果を受け入れ、士気を高めて東海に臨みたい」と力を込めた。
52秒差大逆転 4区柏崎、起死回生の区間賞
鳥居、大谷のWエースと主将鈴木をつぎ込んだ3区を終えても首位とは52秒の大差。いよいよ窮地に陥った女王・浜松市立を、高校駅伝初出場の2年生が救った。4区で柏崎が一気に5秒差に詰め寄る区間賞。起死回生の走りで連覇への道を切り開いた。 順位変動が起こりにくい下り基調の最短3キロ区間でレースの流れを一変させた。「焦らず残り1キロから」(柏崎)と緩い上りで勝負を仕掛け、最後にもう1段ギアチェンジ。遠かった浜松商の背中を目の前に捉えると、大逆転劇を完結させたのは1年河合だ。 3000メートル9分29秒台のルーキーは5キロに不安を感じていたが「前が見えるので落ち着いて走れた」。最初の1キロを3分30秒と抑えても先頭の背中が近づき「後ろに付かずに自分の走りをした」と一気に逆転。最後は36秒差をつけて独走した。 柏崎は昨冬の県、東海、全国駅伝とも僅差でメンバー外。今夏も校内選考で敗れ総体に出場できず「都大路を走ることだけを考えてきた」という。1年間の思いが詰まった快走に、杉井監督も「どんなに不遇でも努力を続けた。こういう姿がチームの財産になる」と賛辞を惜しまない。 1時間11分44秒は、大エース沢田(米ルイジアナ州立大)を擁して昨年樹立したエコパコース最速記録を2秒上回る。総合力を高めたチームが3度目の都大路に挑む。
終盤まで先行 浜松商健闘、過去最高位
浜松商は1、2区の区間新でトップに躍り出ると、4区まで浜松市立に先行して過去最高の2位。1区中川が「先頭は譲らない」と覚悟を決めて飛び出しチームを勢いづけた。 スタート直後のトラックから先頭に立ち、起伏のあるエコパコースが会場になった2008年以降、歴代で2番目の19分39秒。2位に37秒差をつけると、2区戸塚、3区三輪まで3連続区間賞で52秒のリードを奪った。最後は過去3年で優勝2度、2位1度の浜松市立の底力に屈したが、終盤まで食い下がった。 都大路への道はまだ閉ざされていない。戸塚は「チーム全員で全国を目指す」と闘志を燃やした。