ビットコインが6万5000ドル突破、「10月効果」でさらに上昇期待
ビットコインの価格は米東部時間9月26日に上昇し、7月以来の高値を記録した。この上昇は、世界のマクロ環境の変化によるリスクオン資産の追い風を受けたものと見られている。 コインベースのデータによれば、世界で最も時価総額が高いデジタル資産であるビットコインは、26日午後に6万5000ドルを突破し、7月末以来の高値で取引された。 米国の主要株価指数も上昇し、S&P500種株価指数は史上最高値を更新した。ダウ工業株30種平均やナスダック総合指数もこの日上昇した。 「S&P500が史上最高値を更新し、S&P500とビットコインの強い相関が続いていることから、ビットコインが再び6万5000ドルを突破したことは、驚くべきことではない」と、投資会社プサリオンのマネージングパートナーを務めるティム・エネキングは述べている。 アナリストは、この上昇の背景にさまざまな要素を挙げている。その中には、先週の米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの影響や、中国政府の景気刺激策の発表などが含まれている。スワンビットコインのマネージングディレクターであるジョン・ハールは、これらの動向について次のように述べた。 「ビットコインの価格は、広範なマクロ経済のトレンドに反応している。米国の財政赤字の継続やFRBの利下げと金融緩和政策、中国の財政および金融刺激策の発表などが、ビットコインを含むリスク資産に有利に働いている」 一方、アンバーデータのシニアリサーチャーを務めるマイク・マーシャルは、ビットコインが6万5000ドルを突破した背景に、「マクロ経済の変化と機関投資家の関心の組み合わせ」があると述べている。 「FRBが最近0.5%の利下げを行い、誘導目標を4.75%から5%の範囲に引き下げたことで、ビットコインのようなリスク資産に楽観的な見方が広がっている」とマーシャルは説明した。彼はまた、米証券取引委員会(SEC)がブラックロックのiSharesビットコイントラストのオプションを承認し、新たな機関投資家の参入ルートを開いたことも、ビットコインの上昇に寄与したと述べている。 ■「10月効果」への期待 一方、別の視点を追加したアナリストもいる。そのアナリストは、ビットコインが9月と10月に伝統的に生み出してきたパフォーマンスに注目している。 「ビットコインの直近の動きは、特に9月と10月を比較した際の過去のパフォーマンスのパターンと一致している」と、21Sharesのエリエゼル・エンディンガは述べている。 「歴史的に見て、9月はビットコインが最も弱い月の一つであり、平均月次リターンはマイナス約6%となっている。対照的に、10月は過去10年で平均して約10~15%の上昇を見せ、より高いパフォーマンスを発揮している」とエンディンガは指摘した。 「この季節的な傾向は、しばしば『10月効果』と呼ばれており、第4四半期に向けた市場の活動の増加とセンチメントの改善によってもたらされている」と彼は続けた。
Charles Lloyd Bovaird II