平松愛理、「平成」でチャート圏外の作品が「令和」で再評価 阿久悠さんとの楽曲は「最初はサンバだったんです」
そのサビの部分のコーラスには、島倉千代子、大江千里、岡村孝子、澤田知可子が参加しているが、どういった人選だったのだろうか。 「コーラスは、私が当時よくしていただいた方々の友情出演です。お千代さん(島倉千代子)とは、ご自身が歌詞を書かれたラブソング集のアルバムに私が作曲で参加(「愛ひとひら」「ときめきよこんにちは」)したのがきっかけで可愛がって頂けるようになりました。肉じゃがを作って持っていったり、娘が生まれたときにも来てくださったり。世代やジャンルが違うからこそ、話しやすいと思ってくださったのかもしれませんね。 岡村孝子さんは、家に遊びに来ていただいた際にひと晩語り明かして、そこから仲良しになってくださいました。岡村さんは、芯が強くて本当に優しい方。作品もそうなのですが、言葉と言葉のあいだの空間にもメッセージがあって、本当にすばらしいんですよ。岡村さんのラジオ番組の代行をさせていただいたとき、彼女の曲をたくさん聴いて、その魅力について語り尽くしました」 ちなみに、筆者が企画した「名曲発掘! ジュエル・バラッズ」というオムニバスCDに、この「美し都」を収録したところ、私のもとに“とてもいい曲で感動した”というお便りがたくさん届いた点も申し添えておきたい。本CDには、松原みき「真夜中のドア~Stay with me」や本田美奈子.「つばさ」など、リリースされて10年以上経ってから大きな反響があった作品も収録されている。こちらもスマッシュ・ヒットとなった一因だが、平松の「美し都」も今後、サブスクによってより大きく広がっていくことを願っている。 最後に、デビュー35周年の予定と、リスナーへのメッセージを尋ねてみると、「まずは24年の5月にライブを行う予定で、そこから1年間、マイペースに歌っていきたいです。今回、このランキング表を見ながら自分の曲を振り返ってみて、なんだか原点に立ったような気分になりました。流行に関係なく、しかもライブで歌っていない曲までこんなにたくさん聴いてくださって、本当にうれしいです! それに尽きます!」 インタビュー中、予想外だった人気曲を発見するたびに話し声が元気になっていった平松だが、我々リスナーもライブやサブスクを通して彼女の音楽に触れてみると、“こんなにいい曲があったなんて!”と、その魅力に驚くことだろう。彼女の楽曲にはそうやって未来に向かうだけのチカラがみなぎっている。