「緑茶 VS コーヒー」健康にいいのはどっち 感染症・生活習慣病・認知症の予防効果ほか…専門家が解説
■肥満対策に緑茶が効果アリ
一方、コーヒーのクロロゲン酸も、感染症以外の健康効果がある。 「クロロゲン酸は新陳代謝を高め、善玉菌の増殖を促進して腸内環境を改善する働きもあります。また、コーヒーのカフェインは肉の消化を助け胃腸の働きを良くします。食後のコーヒーがおいしく感じられるのもこのためでしょうね」(同) 前述のように、カテキンとクロロゲン酸は体内に取り入れられると、強力な抗酸化物質として働くが、 「シワやシミなどの老化が進んだり、高齢になってがんや認知症が多くなるのは、食品の中に含まれる酸化物質や自分の細胞が作り出す活性酸素が大きな原因とされています。抗酸化物質はこうした活性酸素の害を防いでくれるんです」(同) さらには、海外の臨床研究でも、コーヒーやお茶をよく飲む人は認知症になりにくいと報告されている。 加えて、お茶やコーヒーは中高年の悩みの生活習慣病の予防・改善にも役立つ。 「お茶のカテキンは代謝を高めることで、体に溜まる余分な脂肪やコレステロールを少なくすることが分かってきました。これで血圧や血糖値の改善が進み、肥満も予防できます。肥満が問題になっている米国で緑茶がブームになっているのは、こうした生活習慣病の予防につながることも要因でしょう」(同) コーヒーのカフェインやクロロゲン酸も同様な働きをする。カフェインは消化酵素のリパーゼを活性化して、脂肪の分解や代謝を高めるが、クロロゲン酸は糖分解酵素であるインスリンに働き、食後血糖値の上昇を抑えることが明らかになっているのだ。 もう一つ。お茶とコーヒーには精神状態を安定させ、ストレスを発散させる効果もあるという。 「それが、お茶やコーヒーの甘みや酸味などの味と香りです。こうした成分はポリフェノールに由来するんですが、これで気持ちが安定して、ストレスも和らぐんです」(同) なお、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。飲みすぎると、カフェイン過多などで胃腸に負担がかかる。 「コーヒーなら一日にカップ4~5杯、お茶は7~8杯ぐらいが目安」(同)だそうだ。 緑茶やコーヒーで、厳しい冬を乗り切ろう!
ピンズバNEWS編集部