スマイリーキクチさんが語る、SNSのコミュニケーションで最も大切なこと
● 「正しさ」ではなく「優しさ」、そして、挨拶の大切さ SNSなど、“意見のやりとりをする場”で主張が割れてしまうのはよくあること。では、自分の考えを相手に誤解なく伝えるには、どのようなことを意識すればよいのだろう。 スマイリー SNSは価値観の違う人たちが好き勝手に意見を発しているので、必ずといっていいほど揉めることになります。求められるのは、「正しさ」ではなく「優しさ」なのに、みんなが「自分は正しい」と思っているから、揉めてしまう。重要なのは、優しさをもって、時には相手の意見をスルーする能力を身につけること。そして、真に伝えたい時こそ、丁寧な言葉を使うこと。例えば、高所恐怖症や閉所恐怖症があるように、言葉にも恐怖症があって、暴力的な言葉を投げかけられて気にしない人もいれば、ずっと気にして立ち直れない人もいます。だから、自分がどう思うかではなく、相手がどう感じるかを汲み取ったうえで、言葉を発してほしいです。発した言葉には責任が伴うので、人の心を動かすような伝え方が必要。「優しさ」が人を傷つけることはないけれど、「正しさ」は人を傷つけてしまうこともあるので、誰に対しても、「優しさ」をもって接したいですね。 幼稚園や小学校で最初に習ったものが何だったかを私たちは記憶しているだろうか? それは文字の読み書きではなく、「挨拶」だったに違いない。挨拶はコミュニケーションの第一歩で、自己表現手段のひとつ。日々交わす挨拶が、相手との信頼関係を構築していく。 スマイリー ある企業の社長さんが僕に話してくださったのですが、新入社員に最初に教えるのは、しっかりした挨拶だそうです。採用面接では、暗記してきたものやマニュアルでひととおりの挨拶はできるものの、いざ入社したら、「おはようございます」「お先に失礼します」という挨拶はおろか、かかってきた電話にきちんと対応できない人が多いらしいです。その社長さんは、「幼い頃に親から教わるべきものを22歳の大人に教えることは難しい。小さい子に教えるほうがよっぽどラク」と嘆いていました。僕たちの「タレント」という職業では、挨拶をしなかったら、即、「あいつは天狗になった」と言われてしまいます。僕は若い頃にスポーツクラブでアルバイトをしていたのですが、その時に褒められたのが挨拶でした。「おはようございます」「さようなら」と元気よく挨拶することで、損をすることはありません。評価は他人が決めるものだけど、「幸せ」と「楽しい」は自分でつくり出せるもの――たった一言の挨拶で「幸せ」がつくり出せるなんて素敵ですよね。