「そりゃ追いつけないわ…」老いてもメンターであり続ける人の「共通点」とは?
● 年下だろうが肩書きがなかろうが メンターは貪欲に質問する メンターの人は「自分の成長に貪欲」という特徴があるように思います。口では「もう年ですから」と言いつつも、若い人が便利なアプリを使っていると「どれどれ、教えて」「自分のスマートフォンにもダウンロードするにはどうしたらいいの?」と聞きます。メンターとそうでない方の明らかな違いの1つは、「属性」に対する考え方です。 メンターの人は相手が年下であろうが、どのような職業であろうが、肩書があろうがなかろうが、そのようなことは関係なく平等にコミュニケーションをとり、その人達から1つでも学べそうなことがないか貪欲に質問をします。そして新しい学びを得て自分の血肉とし、さらにメンターとしての地位を確立していきます。だから追いかけてもいつまでも追いつかないメンターで居てくださいます。 経験がある人もいらっしゃるかもしれませんが、かつてメンターと慕っていた人に久しぶりにお会いしたときに「あれ、以前はとても手が届きそうになかった方だったのに、今はもう届くところにいる……」「ひょっとして、自分は追い越してしまったのかな……」と、かつて「メンター」として慕っていた頃の面影がなくなってしまったことに、複雑な気持ちにさせられることがあります。
● 上の者からしか学べなければ 歳とともに対象は減っていく 理想のメンターは、久しぶりにお会いする時に「自分もかなり成長したから少しはメンターに追いついただろう」と意気込んで会うと、メンターもまた自分と同じかそれ以上に進化しています。「うわあ、やっぱり追いつかない」とがっかりしつつ、でもそれがまた目標となり「今度会う時こそは」と思わせてくれます。 そのようなメンターは前述した通り、属性に関係なく「全方位」から新たに学んで吸収して自分のものにしていくので、何歳になってもどれだけ肩書を得てもそこに甘んじずにパワーアップしていきます。 その一方で、「自分より学歴や肩書の低い人間の意見など聞いても時間の無駄」「自分より年下の意見など聞いても得るものがない」という偏見がある方は、ご自身が肩書を得て、年齢を重ねれば重ねるほど、「自分よりさらに上」の人からしか学ぶことができなくなります。だから、その対象者は当然ながら減っていきます。 「全方位から学ぶ」人から比べたら得られる学びの量が圧倒的に減ってしまうのです。だからどんどん成長が鈍化していってしまい、かつてメンターと慕ってくれていた人に、追いつかれ、追い抜かれる可能性も出てくるのです。自分以外の人達からどれだけ学び続けることができるのかということも、メンターとして居続けられるかどうかの条件の1つになると思います。
前田康二郎