【大学トレンド】文系でも必要な「データサイエンス」の学び 大学でどんな授業をしているの?
データサイエンスとは、数学や統計学、プログラミング、機械学習などを活用して、膨大なデータを分析・解析し、有益な知見を導き出すものです。データサイエンス教育はデジタル時代の「読み・書き・そろばん」であると言われ、現代の情報社会における必要な学びとして注目を集めています。文系・理系にかかわらず、データサイエンスを学べる大学が増えています。授業の様子を取材しました。 【写真】昔のイメージとは大違い? 女子高生に人気の意外な大学
「今日は説明変数が1つでない、重回帰モデルについて確認をしていきます」 そんな教授の言葉から、創価大学でのデータサイエンスの授業は始まりました。この日のテーマは、複数の要因が与える影響を分析する「重回帰モデル」についてです。これは売り上げ予測などに活用できる分析手法で、マーケティング分野では必須の内容です。120人ほどの学生たちは講義に熱心に耳を傾け、例題となる計算式を解きながら、論理的思考力を鍛えていきます。 創価大学では、2019年度から副専攻の選択肢の一つにデータサイエンスを加え、さらに22年度からは初級レベルの「データサイエンス入門」を全学部で必修化しました。同大学でデータサイエンス教育推進センター長を務める浅井学教授は、データサイエンス教育に力を入れる背景を次のように話します。 「これまでは自動車などのものづくりが世界の主要産業でしたが、いまはGAFAMといったプラットフォーマーの時代で、産業構造が変化し、ものよりも新たな価値を見いだすことが求められています。そこで必要になってくるのが、データから新たな価値を創造する学問であるデータサイエンスです」 データサイエンスというと理系の学びのイメージがありますが、全学部で学ぶ理由はどこにあるのでしょうか。 「データサイエンスで重要なのは、単にデータを分析することではありません。社会や企業のニーズを見てみると、例えばマーケティングなど文系学生がこれまで得意としていた分野で、データを活用して社会やビジネスに貢献できる人材が求められています」(浅井教授)