目黒製作所の工場があった「那須烏山」にメグロ旧車が集結!【第三回メグロ・キャノンボール那須烏山レポート】
地元の支援も熱いメグロ保存活動
トークショー終了後は、この日のメインイベントともいえる、市内周遊のパレードランが行われた。コースは那珂川に架かる橋を4回も渡り、秋の景色を楽しめるもの。このパレードランにはメグロを先頭グループに、約180台のライダーが参加。経路の要所には地元ボランティアの誘導員が立つので、信号などで列が切れても不安なくコースを走れる。同時に市内では住民が手を振って声援を送るので、参加者達の多くが「気温は低かったが心温まった」と語っていた。 筆者はこれまで数多くのバイクイベントを見ているが、このメグロ・キャノンボール那須烏山は4つの理由から異色のイベントと言える。 その第一に、戦前にルーツを持つ伝統の国産ブランド「メグロ」に多くのファンが存在すること。 第二に戦時中の疎開が理由とはいえ、この地で工場が稼働し現在もその敷地が残っていること。 第三に、2020年にカワサキモータースからメグロブランド復活が宣言され、このイベントとの協力関係が構築されていること。 最後に主催や後援が地元の商工会や観光協会と那須烏山市で、更にアマチュアの実行委員会が活動している点である。このようにユーザーからメーカー、行政までが密着して連携している姿勢は、国内イベントでも極わずかしかない。 2023年のメグロ・キャノンボール那須烏山は天候の影響を受けながらも大盛況に終わり、主催者は来年への意気込みも上がる。2024年は目黒製作所創立100周年の特別な年であり、カワサキからはメグロS1が発売されている可能性もある。参加者からの支持も高いこのイベントは、来年のさらなる盛り上がりが今から約束されているのだ。 レポート&写真●上屋 博