【山形】“みちのくダービー″ドロー決着「人生で一番緊張」気田亮真が古巣に同点PK弾
<明治安田J2:山形1-1仙台>◇第21節◇22日◇NDスタ 1万6607人が詰めかけた“みちのくダービー″の今季第2ラウンドは、ドロー決着となった。 22日、J2モンテディオ山形とベガルタ仙台がNDソフトスタジアム山形で対戦。ホームの山形は、4月の対戦で0-2で敗れた仙台に先制されたが、前半40分に今季から加入したMF気田亮真(26)が古巣相手に同点のPKを決めた。その後も両チームともに好機をつくったが決めきれず1-1で、勝ち点1を分け合った。 気田がほえた。仙台に先制点を奪われて8分後。この男が、しっかりと取り戻した。前半40分、PKを獲得。向き合ったゴール裏には古巣の仙台サポーターが陣取っていた。4月7日の鹿児島戦で外して悔し涙を流したPK。ほかにもキッカーの候補者がいたが「サッカー選手としても男としても逃げ出したくなかった」と引き下がらなかった。「自分の努力を信じよう」。重圧に負けず、冷静に右足でネットを揺らすと、山形サポーターの歓喜とともに大きなガッツポーズと雄たけびで喜びを爆発させた。 「人生で一番緊張した。古巣戦で、前回外していることで、すごく恐怖だった」。同じ東北、しかも隣県同士、さらにともにJ1昇格を目指すライバルチームへの今オフの移籍は「禁断の移籍」とも言われた。移籍後も思うような結果が得られず厳しい声もたくさんあった。それでも決して逃げ出さなかった。渡辺晋監督(50)は「いろんな思いを持って山形に来てくれて悔しい思いもした。重りが解き放たれるものがあれば…」と、同様に「禁断の移籍」を経験しているからこそ、気田に期待をこめた。 次節は30日、今度は秋田との「東北ダービー」をアウェーで迎える。直近10試合では1勝5敗4分け。プレーオフ圏内の6位からは遠ざかり、「J1昇格」を目指すチームにとって足踏みが続いているが、指揮官は「否定ばかりしていては前に進めない。守備が堅い仙台を意図的に崩した場面もあったので、やれていることを精査して選手と共有していきたい」と前を向いた。まだまだシーズンの折り返し。気田と山形の戦いは、ここからだ。【木村有優】 仙台 FW中島が今季7点目となる先制点を挙げた。前半32分、相手のハンドで得たPKをゴール右下に右足で冷静に決めた。ホームの大声援を受ける山形にわずか8分後に追いつかれ、2戦連続で引き分け。それでも中島は「90分間を通して集中力を切らさない戦いを継続できるようにしたい」と振り返った。