「セーヌ川の水質悪化のため」パラリンピックのトライアスロン競技が延期に「優先事項はアスリートの健康」と大会組織委
現地9月1日にセーヌ川を舞台に行なわれる予定だったパリ・パラリンピックのトライアスロン競技が、水質汚染のために2日に延期された。仏通信社『AFP』などが報じた。 【画像】コンコルド広場を中心に繰り広げられたパリ・パラリンピック開会式の名場面を厳選ショットでお届け! 同社によると、「8月31日の夜、セーヌ川の水質悪化のため、トライアスロン競技が延期されると大会組織委員会が発表した。過去2日の大雨の影響でセーヌ川の水質が悪化したことが示された」という。 ただ、翌2日の競技開催に関しても、「次回の水質分析が、世界トライアスロン競技連盟の基準に適合することが条件」と開催の可否は水質次第。大会組織委員会は「優先事項はアスリートの健康であり、現状では1日にパラトライアスロンを開催することはできない」と、アスリートファーストの姿勢を打ち出した。 今大会のトライアスロンは、セーヌ川でのスイムが750メートル、パラサイクリングが20キロ、ランニングが5キロで構成。このうちスイム会場となるセーヌ川では、8月29日と30日の公式練習は行なわれていた。 パラリンピックに先立って行なわれたパリ五輪でも、セーヌ川の水質問題が大きな議論を巻き起こした。公式練習と男子トライアスロンが水質悪化で延期となり、最終的には水質基準を満たしたとして7月31日に男女レースが開催。しかし、レース後に体調不良を訴える選手が続出した。 「競技を行なうため、大会組織委員会は大腸菌と腸球菌の2つの細菌数値を注意深く監視している」 はたしてパラトライアスロンは無事に開催できるのだろうか。 構成●THE DIGEST編集部
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