e日本代表は死闘の末、eアジアカップ準優勝…銀メダルに涙「悔しい気持ちしかない」
アジアサッカー連盟(AFC)公式eスポーツイベント「AFC eアジアカップ2023」は5日、カタールで大会最終日を行い、Leva、SATAKE、Axの3選手で構成されるe日本代表は準決勝でサウジアラビア代表を下すと、決勝でインドネシア代表と対戦した。結果は惜しくも準優勝となったが、見事に銀メダルを獲得した。 【写真】「そりゃ勝てるわ」「可愛すぎる」“派手衣装”の女優が日本代表をピッチサイドで応援 競技タイトルに「eFootball」シリーズを採用し、2on2形式で争うeアジアカップ。日本はグループDでベトナムと1勝1敗、インドネシアと1勝1敗の2位でグループリーグを突破し、先に2勝したほうが勝ちとなるBO3方式で争われる決勝トーナメントに入ると、バーレーン、イラン、サウジアラビアという中東勢を連破し、決勝に駒を進めた。 グループリーグで一度は1-5と大敗した相手にリベンジを期した決勝戦。その第1戦は一進一退の攻防が続いたが、インドネシアは後半26分、ロングボール1本で空中戦に競り勝った長身FWの落としから先制点を奪った。それでも後半アディショナルタイム、パワープレーに出た日本はロングフィードをFW上田綺世が頭で落とし、前線に上がっていたDF町田浩樹がつないでFW浅野拓磨がPA内左に抜け出した。 浅野を操作するAxはそのまま縦に仕掛け、左足でファーサイドにシュート。GKが前に弾いたボールをLevaが操作するMF久保建英が押し込んで同点に追いついた。Axが「SATAKEからも『シュートを打たないと始まらない』というのは言われていたし、シュートを打つことだけを意識して、あとは(Levaが)こぼれ球に反応してくれると思った」と言えば、Levaも「(上田が)競り勝った瞬間から縦に行ってくれると信じていた」という狙いどおりのゴール。ラストプレーで同点に追いつくと、1-1のまま延長戦でも決着が付かず、試合はPK戦にもつれ込んだ。 PK2-2で迎えた5人目、先攻のインドネシアのキックをAxが操作するGK前川黛也がセーブ。決めれば勝ちという状況にまで持ち込んだが、相手GKに阻まれてサドンデスに突入すると、6人目も連続ストップに遭い、PK2-3で初戦を落としてしまった。 あとがなくなった第2戦も0-0の拮抗した展開。相手のシュートミスにも助けられ、前半をスコアレスで折り返すと、ベンチメンバーのSATAKEがスタンドから下りてきて2人にアドバイスを送る姿もあった。「インドネシアはグループリーグから4-3-3で一貫していたけど、決勝の途中から4-4-2にして、日本に対策してきた。もっとボールを持つようにと3人で話し合った」(SATAKE)。90分で決着が付かず、2試合連続で延長戦へ。すると延長前半11分、インドネシアはゴール前のFKから短くつないでワンタッチシュートを狙うサインプレーでゴールを破った。 「何かしてくるなと思ったけど、相手の択が多くて、カバーし切れなかった」。Axはそう痛恨の失点を悔やんだ。延長の残り時間はインドネシアが狡猾に時計を進め、そのままタイムアップ。インドネシアが2連勝でアジアの頂点に立った。 喜びに沸くインドネシア陣営とは対照的に、涙を流して悔しがったLevaとAx。Levaは「素直に悔しい気持ちしかない」と言葉を詰まらせ、「ここ1か月、練習してくれた方たち、夜遅くまで応援してくれた方たちに申し訳ない。インドネシアが強かった。もっと強くなって、またリベンジしたい」と目を真っ赤に腫らした。 Axは「最初(1戦目)のPKを決め切れなかったのが痛かったし、やられ方(失点の仕方)もアンラッキーなところがあった。悔しいけど、インドネシアが強かった」と相手を称えた。互いに長身選手を狙うロングボールが飛び交う中、「競るだけでなく、競るのにもテクニックがいる。1試合目の失点も競り合いで相手の方が上手だった」と指摘。「練習どおりにはいかないし、環境面も(練習と試合で)全然違った。毎日毎日勉強になった」と、国際大会の難しさも実感していた。 予選を勝ち抜いた23歳の3人でチームを組んだe日本代表。アジアカップの大会公式YouTubeでLIVE配信された決勝戦は、同時接続数(同時視聴者数)が最大で20万人を超える盛り上がりを見せた。Levaは「同い年の3人で組んで、自分自身成長できた。特徴ある選手がそろって、それを生かすサッカーはできたと思う。ただ、最後の詰めの甘さも出た」と振り返り、「結果で日本がアジアNo.1ということを証明できるチャンスだった。準優勝で悔しい思いは強いけど、ここからより頑張っていかないといけない」と前を向いた。 次にどんな国際大会がどういう形式で行われるかは分からない。それでも日本のトッププレイヤーの一人として「打倒インドネシアということで日本全体でやらないといけない」と力を込めたLevaは「2on2やCO-OP(3on3)などいろんな大会があると思うけど、1on1がメインになると思うし、今度はお互いがライバルとして切磋琢磨して、次は勝ちたい」と、次なる戦いの舞台へ視線を向けた。