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（ブルームバーグ）： エールフランスＫＬＭは、欧州の航空会社を不当な競争から守るため、中国系航空会社の欧州就航便数を制限するよう、フランス政府に働きかけている。事情に詳しい複数の関係者が明かした。

関係者の一部によると、パリに本社を置くエールフランスの要請には、フランスと中国間の航空交通権の現状維持も含まれている可能性がある。この関係者は、協議が非公開であるため、匿名を希望している。

一方、別の関係者によると、ルフトハンザドイツ航空は、競争環境がゆがめられているとして、ドイツ政府に対し、率先して中国に異議を申し立てるよう働きかけている。

ルフトハンザはすでに、中国路線の縮小を発表している。航空機不足により、燃料効率の悪い旧式の航空機を同路線に投入せざるを得ず、採算がとれないため、今月末にフランクフルトから北京への直行便を廃止する予定だ。同社によると、１便につき、最大50万ユーロ（約8100万円）の損失が出ているという。

こうした状況は、ロシア領空を航行できる中国系航空会社の欧州便の増加をどう抑えるか、欧州の航空会社間で足並みがそろっていないことを露呈している。ロシア領空を航行できる中国の航空会社は、長距離便の時間を短縮でき、料金も欧州系航空会社よりはるかに安い。

この問題について、各国政府を巻き込むべきか、それとも欧州連合（ＥＵ）に持ち込むべきか、議論があるという。

エールフランスとルフトハンザの広報担当者にコメントを求めたが、回答はなかった。

ルフトハンザのカルステン・シュポア最高経営責任者（ＣＥＯ）は16日、ブリュッセルでのイベントで、中国の航空会社は排出量取引システムのコストを支払う必要がない上、ロシア領空を横断できることで飛行時間を３時間短縮できるため、「非常に有利な立場にある」と述べた。

シュポア氏は「欧州の航空会社にとっては不利な点で、ますます多くのフライトを削減せざるを得なくなり、その結果、欧州の交通の便が悪くなるだろう」と述べた。