マカオ税関が中国ボーダー付近の工業ビルに開設された運び屋向け密輸品供給店摘発…活ロブスター約270キロ押収
澳門海關(マカオ税関)は5月30日、前夜マカオ半島北部・關閘エリアにある工業ビル、太平工業大廈内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点にあたる店舗1ヶ所に対する摘発を実施したと発表。 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。
税関によれば、運び屋の活動を注視し、近日關閘イミグレーションで発見・押収したロブスターの密輸出事案の分析及び追跡調査などを通じてマークした運び屋への商品供給拠点とみられる場所に対する内偵調査を進めていたという。29日夜、關閘イミグレーションの出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した女2人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、合わせて活ロブスター4袋(約6キログラム)を所持していたことが判明。女2人は税関の調べに対し、事前にマークしていた店舗で商品をピックアップし、報酬を得る目的で越境運搬を企図したことを認めたため、即座に当該店舗に対する摘発を行ったとのこと。 摘発時、現場には責任者の女が1人おり、店内から活ロブスター約270キログラム、市価にして約40万パタカ(日本円換算:約780万円)相当が発見され、すべて輸出入に必要となる書類を備えていなかったことが判明。
本件に絡む密輸品供給店の責任者の女はマカオ人、運び屋の女2人はいずれもマカオで就労する海外労働者で、税関では店舗の責任者の女が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、上述の3人を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収するとともに、運び屋の女2人については海外労働者雇用法違反により労工事務局、店舗についても食材の原産地証明及び検疫申請書類を提示できなかったことから食品安全行政を管轄する市政署、さらに営業許可証なしで営業していたとして財政局による調査が進められることに。 税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進めるとした。 このところマカオでは活ロブスターの密輸出を図るケースの摘発が頻発している。