筋肉が少ない人ほど死亡、要介護、循環器疾患のリスク増!「脚トレ」の重要性を専門家が力説
ボディメイクやダイエットの手段として筋トレを取り入れている人は多いが、最近は健康寿命を延ばすために行う人も増えてきているようだ。老後も健康に過ごしたいなら、特に脚トレが必要不可欠だと専門家は言う。 ▶︎すべての写真を見る
ということで今回は、筋トレと健康について研究している東北大学大学院医学系研究科の門間陽樹准教授に、脚トレの重要性について伺った。
脚の筋肉が衰えると自立した生活が難しくなる
ーーまず、なぜ筋トレの中で脚トレを最重要視しているのかお聞かせください。 脚の筋力が衰弱して起こるいちばんの問題は、将来的に自立した生活が難しくなり、介護が必要になる可能性が高まることです。そのため、健康面で考えた場合に最も重要視しています。 脚の筋力が衰えると1人で立ったり歩いたり、今までできていたことができなくなったりと、普通に生活するのが難しくなりますし、体を支える力が弱くなるため、転んで骨折してしまうリスクも考えられます。 ーー脚トレをしない場合、健康面でどのような問題がありますか? 日本人を対象とした研究では、高齢で筋肉量や筋力が低い人ほど、要介護リスクや死亡リスクが高いという結果が報告されています。 一方で高齢でなくても、筋力が低い人の方が循環器疾患、がんなどの病気を発症するリスクが高く、さらに寿命が短いという研究結果も報告されています。
下半身の筋肉量は40~60歳頃から急激に低下する
ーー下半身の筋肉はいつ頃から衰えてくるんですか? 普段の運動量や生活習慣などによって違いは出てきますが、一般的には40代から衰えを感じるようになるといわれています。 ある研究で年代ごとにグループ分けを行い、それぞれの筋力の平均値を分析した結果、下半身の筋肉は20歳を過ぎた頃からだんだんと減少し、40~60歳にかけて急激に衰えることが分かりました。 つまり、30~40代の段階で下半身の筋力が少ない人は、40~60歳を過ぎてから病気にかかりやすく、将来的には1人で生活するのが難しくなる可能性が高いということです。 ーー老後も元気に過ごすためには、やはり脚の筋肉を鍛えるべきでしょうか? 優先的に鍛えるべきなのは、間違いなく脚の筋肉です。足腰が弱くなると、歩く・走る・立ち上がる・物を持つなど、今まで何気なく出来ていたことが難しくなります。 また、筋トレをするときは、大きな筋肉から動かすよう心がけましょう。脚には大きな筋肉がたくさん存在するので、健康を考えるのであれば普段から脚トレを行うのがよいと思います。