「ガラパゴス音楽」とは呼ばせない ...日本人アーティストに全米が夢中──BAND-MAID/新しい学校のリーダーズ/YOASOBI/藤井風/XG
アニメがヒットに貢献
アメリカでのアニメ人気も、アメリカ進出を目指す多くのアーティストを後押ししている。 音楽クリエーターとバイヤーをグローバルにつなげる「マーケットプレース」を提供するサーフ社のコンテンツディレクター、ジョナ・ヒガは「日本のバンドが成功する要因の1つは、日本文化に対する世界の消費者の関心にある。海外で人気を獲得した楽曲の多くは、アニメと結び付いている」と解説する。 新しい学校のリーダーズ、YOASOBI、BAND-MAIDといったアーティストは、いずれも人気アニメに楽曲を提供している。
全米ツアーを何度も成功させるBAND-MAID
ポニーキャニオン所属のBAND-MAIDは何年も前から、アメリカで確かな人気を築いている。 2013年に結成された女性5人組のハードロック・メタルバンドで、日本のメイド喫茶のウエートレスのような衣装を着用。全米ツアーを何度も成功させ、昨年はアメリカの主要ロックフェスティバルのポイントフェストとロラパルーザに出演した。 YouTube公式チャンネルの総再生回数は2億回を超えている。 今年4月にはメタル系バンドのインキュバスの伝説的ギタリスト、マイク・アインジガーとの共作「Bestie」をリリースした。米ロック界の大御所とのコラボは、アメリカでの認知度アップにつながる大きな一歩だ。 日本のビジュアルロックのレジェンドYOSHIKIが、新たに結成したザ・ラスト・ロックスターズを率いて昨年アメリカ公演を行った際、BAND-MAIDがオープニングアクトを務めたことも見逃せない。 激しいヘッドバンギング入りの荒っぽいスラッシュメタルから抑えたバラードまで、多彩なサウンドでアメリカの聴衆を魅了した。
米人気テレビ番組に出演「新しい学校のリーダーズ」
キュートなビジュアルと激しいパフォーマンスのギャップでアメリカの音楽ファンを驚かせたガールズグループをもう1つ紹介しよう。17年にメジャーデビューした4人組、新しい学校のリーダーズだ。 ロック、欧米のポップ、Jポップ、さらにはレフトフィールド(非主流のハウスやテクノ)の電子音楽にラップと、多種多様な音楽を貪欲に吸収し、唯一無二のサウンドを生み出した4人。全員セーラー服姿で、コミカルなキレのいいダンスを見せる。 昨年12月、彼女たちはアメリカ最大級のプロモーションツールを利用するチャンスを得た。4大ネットワークの1つ、ABCの人気番組『ジミー・キンメル・ライブ!』に出演し、ハードなラップと奇抜なダンスでスタジオを沸かせたのだ。 今年4月には世界最大級の野外音楽フェス、コーチェラにも出演。セーラー服にどてらを羽織ってステージに登場し、斬新な演出で観客を熱狂させた。