「ステルス機高い? 韓国製いかがですか!?」 オリジナル戦闘機が爆売れしそうな理由 “中途半端さ”は狙いのうち?
機首搭載のレーダー開発がカギ
KF-21が初飛行に成功したのは2022年のこと。その後、兵装の発射試験なども行われ、開発が進んでいますが、搭載アビオニクスの中核となるAESAレーダーの統合やソフトウェア開発は難航する可能性があります。 なぜなら、韓国はこれまで戦闘機用AESAレーダーの開発経験がなく、FA-50についてもイスラエル製を輸入・搭載しています。日本が三菱F-2を開発した際にも、戦闘機用AESAレーダーの開発・搭載には多大な時間がかかり、実戦配備後も問題が続出しました。 そういったことを鑑みると、ジェット練習機と戦闘機のあいだには大きな差があり、戦闘機を飛ばすことはできたとしても、実戦で使える戦闘機となるとハナシは別だと言えるでしょう。 とはいえ、すでに韓国空軍はKF-21をアメリカ製F-16「ファイティングファルコン」の後継機として120機導入する予定を立てています。国産機のため、当初は運用にまごつくかもしれないものの、威信をかけて実用化すると思われます。 KAIは政治的または経済的事情からF-35「ライトニングII」を購入できない国にKF-21を「お手軽に手に入るF-35」として売り込むことを目論んでいるようで、FA-50以上の成功を目指しています。韓国の挑戦はこれからが本番と言えるのかもしれません。
関 賢太郎(航空軍事評論家)