「ステルス機高い? 韓国製いかがですか!?」 オリジナル戦闘機が爆売れしそうな理由 “中途半端さ”は狙いのうち?
潜在能力高めな韓国初の国産ステルス戦闘機
2024年現在、韓国製兵器が世界中で注目を集めています。FA-50戦闘機、K9自走榴弾砲、K2戦車などの装備品がヨーロッパや中東、アジアを中心に販路を拡大しており、特にポーランドはこれらを合計約2000両(機)導入することを決定しました。 【2人乗りもあるよ】韓国オリジナル戦闘機KF-21「ボラメ」各タイプをイッキ見!(写真) さらに、アメリカによるウクライナ支援に伴い、砲弾備蓄を補うため数十万発の砲弾をアメリカに輸出し、間接的にウクライナへの武器供与も行っています。これらにより、韓国は西側の新興武器輸出国としての地位を確立しつつあり、2024年の輸出総額は200億ドル(約3兆円)を目指しているともいわれます。 加えて現在、開発中の新型ステルス戦闘機、KAI(韓国航空工業)製のKF-21「ボラメ」は、近い将来、各国の次期戦闘機選定市場へ積極的に参入し、広く注目される可能性を秘めています。 ただ、このような動きもつい最近のことで、韓国がジェット戦闘機開発に本格的に乗り出したのは21世紀に入ってからです。 最初に開発したのは、アメリカのロッキード・マーチンの助力を得て造ったKAI製T-50「ゴールデンイーグル」でした。同機はF/A-18「ホーネット」と同じF404エンジンを1基搭載し、軽量小型ながら戦闘機に準ずる性能を有しています。 さらに、このT-50の高い飛行性能を活かし、派生型を次々開発しています。対地攻撃能力を持たせたTA-50や、誘導兵器や高度なアビオニクス(航空機搭載電子機器)を搭載したFA-50も生み出しました。
ウエポンベイないけど、それでイイ
T-50から始まったこれら「ゴールデンイーグル」シリーズは韓国空軍だけでなく、高価なジェット戦闘機の導入が困難な中小国向けにも「手軽に入手可能なジェット戦闘機」として注目を集めており、シリーズ総計で既に200機が生産されています。また、前述したポーランドからは過去最多となる48機のオーダーを受けるなど、生産は現在も続いています。 FA-50の成功により戦闘機市場に参入し、実績を積み重ね自信をつけた韓国が、さらなる市場シェア拡大を目指して開発に着手したのがKF-21です。同機のエンジンにはF/A-18E/F「スーパーホーネット」と同じF414が選ばれ、かつFA-50とは異なり双発で、まさにF/A-18E/Fに比肩する比較的大型の高級機を目指している模様です。 ただし、艦上戦闘機として多用途性と低速飛行性能に優れたF/A-18E/Fとは異なり、KF-21は「戦闘機」に特化した設計思想が特徴で、加速力や上昇力などの機動性はF/A-18E/Fよりも高いと推測されます。 また、KF-21はステルス性の確保を目指しながらも、レーダー反射の源となる各種兵装を収納する「ウエポンベイ」を持っていません。これは本格的なステルス戦闘機であるF-22「ラプター」やF-35「ライトニングII」などと異なる特徴のひとつです。 代わりに4発の空対空ミサイル「ミーティア」「アムラーム」を機体に半分埋め込むことで、ステルス性と低コストを両立させているのが特徴といえるでしょう。ただし、このような設計は、KF-21を評価するうえで、賛否両論が分かれる点となっています。